前回の記事のとおり職員チーム獅子奮迅の検討結果「箕面市図書館8館構想(たたき台)」を公表したのが2011年3月。・・・もめました。
これ以降、半年間ほど、ほぼ毎月のタウンミーティング(市長ほっとミーティング)には、毎回必ず
「図書館を増やすのはいいけれど、運営見直しには反対」と主張される複数の方々が来られてました。
図書館長の諮問機関「図書館協議会」からは同趣旨の意見書も出てきました。3月・4月に行われた図書館協議会は大もめ。さらに、市役所の担当部にもいろんな方が意見を言いに来られたみたいです。
それと、市議会議員にもいろんな方から少なからずアプローチがあったようです。2011年6月の市議会では、批判的・懐疑的な主張を繰り返す議員もいました(・・・といっても対案は示されないのですが)。
・・・でも、たたかれてなんぼ。だって「たたき台」ですから。
例えば、タウンミーティング(市長ほっとミーティング)で反対意見を発言していただくことは、「いや、そうじゃなくて、ちゃんと議論を始めるってことですよ。課題はこうでこうで・・・」と説明できる機会にもなりました。これは結果として、もともと図書館の見直しの動きをご存じない他の出席者の方々にも話を聞いていただき、反応をいただける貴重な機会でもありました。(タウンミーティングはテーマ制限なしなので、いろんな方が来られます。)
「もめる」というのは、互いに意見をぶつけあうということ。良いものを作り上げていくためには、馴れ合いの議論でなく、ガチンコ勝負もときに必要。その真剣勝負も「協働」といえるプロセスだと僕は思います。
ここでちゃんともめといた(?)のは、その後の検討作業にも役立ちましたし、そのなかから(次のステップに活かせる)たくさんの検討材料もいただけたので、僕はよかったと感じています。
さて、その頃の僕にとって(たぶん職員チームにとっても)
「箕面市図書館8館構想(たたき台)」の最大の課題は、あくまで「仮説」に基づいた検討案で、そのまま実務レベルに適用できるのか?という点でした。
したがって、次の第2ステップ・・・すなわち「たたき台」レベルを脱して、実際に動かせるプランをつくっていく検討・検証作業がどうしても必要だったわけですが、これは教育委員会が真正面から受けとめてくれました。(図書館は教育委員会の所管です。)
・・・そして、この第2ステップで、ついに図書館にエンジンがかかりました。
教育委員会事務局に新設された「知の地域づくり担当」を中心に、改めて図書館の職員が実際に自分たちの仕事の洗い出しをし、業務の再構築に臨みました。
実際に動かせるプランができるならば、
「箕面市図書館8館構想(たたき台)」と違う形になってもいいし、踏襲する部分があってもいいし、他市の事例などが取り入れられてもいい。「箕面市図書館8館構想(たたき台)」を参照しつつも、必要なのは、頭をリセットして改めてゼロからのプランを作ること。いずれにせよ、かなりハードな作業プロセスだったと思います。
新たな検討案は数ヶ月かけてようやくまとめられました。
まとまってきた案の説明を受けたときのこと。僕の「このプランで本当にいけますか?」という問いかけに対して、すかさず図書館の職員が「はい、いけます。」と力強く頷いたシーンは、今でも強く印象に残っています。・・・これなら大丈夫。そう確信して、一言「これでいきましょう」と応えることができました。
こうして2011年8月に練り上がったのが
「箕面市・知の拠点づくりアクションプラン」。
職員が実務レベルで検討を重ね、教育委員会で繰り返し議論いただきました。また、市議会からも他市の視察で得た参考事例などアドバイスもいただき、ようやく仕上がったプランです。
小野原に図書館を増設し、書籍購入費も2倍に拡張し、利用者も簡素な手続で貸出・予約することができて、なおかつ、図書館全体の運営経費を年間4000万円圧縮する。新システムを導入しながら業務フローを大きく見直し、市直営を堅持しつつも運営のスリム化・大切なことへの重点化を果たす。そんな
「箕面市・知の拠点づくりアクションプラン」は、関係者の汗と知恵がつまったプランになりました。お時間があれば、僕の説明なんかより、ぜひ直接ご一読いただきたいと思います。
「箕面市・知の拠点づくりアクションプラン」は、8月22日の箕面市教育委員会議で正式決定されました。翌23日の箕面市政策決定会議を経て、市としての補正予算案の編成に着手し、ようやくこの9月の箕面市議会に提出することができました。
補正予算案の内容は、図書館全体の新たな環境整備費の第一弾(貸出システム・Blu-ray・無線LANなど)や小野原の図書館新設の費用です。そして、無事、
10月11日の箕面市議会本会議にて議決をいただきました。この議決により、晴れて小野原の図書館新設を確定することができました。・・・一部に「図書館の新設は評価するが、補正予算には反対」という、わけのわからない議員がいて、全会一致にならなかったのは残念でしたが、それでも、結果がちゃんと形になってよかったです。
もちろん、プランも予算も実行に移していく
「これから」がむしろ大事。絵に描いたモチには終わらせません。
早速、小野原の施設プランの再検討を進めていますし、地域の方々との調整もギリギリまで続けています。また、図書館全体としても、
「箕面市・知の拠点づくりアクションプラン」を来年4月から具体化していくための体制を整え、忙しく準備に入っています。
来年4月からは、全図書館で貸出・返却や予約がより簡単・便利になります。
インターネットユーザにはこんなツールも開発されたりしているので、組み合わせたら便利さ倍増かも。
そして、平成25年5月、小野原西には図書館を併設した「多文化交流センター」がオープンします。・・・利用されてこその図書館。ぜひとも全市域で積極的にご活用ください。
以上が現在までの経過です。「小野原に図書館ができるまで」を5回にわたり長々と書いてきました。最後までおつきあいいただき読んでくださった方には心から感謝です。
・・・が、せっかくなので最後に番外編でちょっとだけ
僕の小さな夢を。
(まだ「夢」であって公約とかじゃないです(笑)。)
今回のプランが具現化するのは、箕面市内の図書館全館が効率的・有機的に稼動する、いわば「図書館インフラ」です。これは、市民の財産である「蔵書」を箕面市全域で管理し、予約やニーズに応じて配本しあうサービスインフラの一種です。そして、この仕組みに支えられて、前線で司書(職員)やボランティアの方々がコミュニケーションしながら活躍し、また、子どもの居場所、高齢者の居場所としても地域の図書館が活用されていくものです。
せっかく整備し、これからも維持し続ける仕組みですから、いかにたくさんの人に使ってもらえるかが大事。それこそ税を投入する意義です。
そして、図書館の利活用方法は、利用者によって違ってていいと僕は思います。・・・というより、ライフスタイルによって違うのは当然。
ここからが僕の小さな「夢」ですが、
今回作り上げるサービスインフラ(蔵書量・配本システム)があれば、もう少しの工夫と現実的なコストで、無人のサービスポイントを拡張していくことも可能なんじゃないかなと思うのです。
箕面市には、市外に通勤する人口が多く、(休日を除き)図書館の開館時間には箕面市にいない方々がたくさんいます。そんな市民にとっても、
例えば、鉄道延伸後のvisolaなど、いくつかのサービスポイントで、出勤時やインターネットから予約して、仕事の帰りがけに本の受取・返却ができるような仕組み。そんなものがあってもいいんじゃないかなぁと。
まあ、コストもシステムもなーんにも検討していない、まだ小さな夢ですが、たぶんこのくらいのことは世の中のどこかにはすでにありそうな気がしますし、今回の図書館運営の見直しがうまく進んでいったら、またいつか考えてみたい世界だったりするのです。(本屋さんには怒られるかもしれませんが。)
・・・市民の財産を、より多くの市民が、公平かつ最大限に活用していけますように。