昨日の記者会見を受けて、今朝の新聞各紙は、今年8月の箕面市長選挙へのチャレンジについて取り上げていただいていました。
記者会見では、いくつかのポイントをお話しましたので、その中から新聞社ごとに少しずつ違う部分を切り出して記事にされたようです。例えば、毎日新聞さんは「子育て日本一」という柱を取り上げていただいていました。産経新聞さんは「緑を守る」という柱を取り上げていただいていました。
せっかくですのでこうした記事に加えて、伝えたかったことなども少し書いておきたいと思います。
まず、なぜ箕面で仕事をしたいと思ったかです。
私がもともと就職したのは国だったわけですが、出向という形で箕面市役所に来させていただいたのが箕面との縁のはじまりでした。当時の私は国の仕事しか知らず、箕面市役所での地方自治の最前線という仕事には、衝撃を受けたというのが正直な感想です。市民との距離の近さ、市民生活全般を支えるという仕事の幅広さ、直接市民と接しているがゆえの責任の重さ、市役所だけでなくいろんな主体が協力してはじめて地域全体が支えられるという地方自治の現実、どれをとっても(国民から遠い)国の仕事にはないことばかりで、行政で仕事をする身として非常に鍛えられ、「地方自治」という仕事に極めて強く影響を受けたというのが実感でした。
また、当然、その当時は箕面市内に住んでいたわけですが、視界のどこかに必ず山や自然が入っているという安堵感、空の広さ、街の穏やかさ。それにもかかわらず、大阪市内・新幹線・飛行機への好アクセスといういろんな意味での暮らしやすさ。大阪に少しでもいたことのある人は、みんな「箕面っていいとこだよね」といいます。それはまさに住んで納得です。さらに、知り合った方々の人のよさ、仕事だけではなく趣味やボランティアも含めた活発な活動をされてる方の多さ(行政的には「市民活動」と呼ばれてますが)、人のつながりなど、「箕面っていいとこ」という理由なんて、あげだしたらキリがありません。
仕事の面でも、生活の面でも(そしてもちろん、箕面で家族ができたという縁もありますが)、箕面の地に愛着をもつのは(周囲が思うより遥かに)自分にとってはとっても自然なことでした。
この2年間、箕面を離れて東京の総務省で仕事をしていましたが、その間も、箕面のことはずっと意識のどこかにあり、みんなどうしてるのかなぁと気になり続けていました。だから、「箕面で仕事をしないか?」と声をかけられたときは、驚きとともに、素直に嬉しく光栄でした。もちろん、国の仕事を辞めることについて悩んだ時間はありましたが、最後は自分のなかの箕面への愛着と地方自治へのこだわりが強く勝る結果になりました。箕面でしっかり腰を据えて、地域をもっと素晴らしいものにし、次の世代へ引き継いでいく、そんな新しい仕事に飛び込んでみたい、そう決意して、今に至っています。
そこで、基本的な考え方です。
箕面は、日本第2の大都市圏である大阪のこれだけ近郊に位置しながら、緑豊かな山々という自然を抱える、極めて恵まれた立地の住宅都市です。古くから行政・市民が協力して、ハード・ソフト両面で先駆的な取り組みが展開されてきました。これらの好立地や積み重ねは、明らかに他市に優る箕面の特徴だと感じています。
これらの特徴を強く伸ばしていくことが、街の活気につながり、また、対外的にももっとブランド力のある地域にしていくことだと思います。そういう街づくりを展開して、次の世代に自信をもって地域を引き継いでいきたい。そう考えています。
そのために、今、強く打ち出す“柱”としては、子どもを育て、緑を守ること。
そして、この“柱”を支えるとともに、多面的に効果を広げていく重要な取り組みとして、「地域内が支えあう安心感を涵養すること」、「変化を恐れない元気印の市役所がそのエンジンとなること」、これらがセーフティネットと原動力になると考えています。
“柱”について、補足しておきます。
これからの箕面市が抱える課題として、高齢化の問題は避けて通れません。特に住宅地である箕面にとって、街全体が高齢化し、誰も支える人がいなくなってしまうようなことがあれば、それは極めて深刻な事態です。
短期的な対策として、こうしたいわゆる“弱者”へのきめ細かく優しい市役所の福祉体制を整えることは必須です。ですが、それだけでは抜本的な解決にはなりません。抜本的な解決策は、これから中高年以上の世代をしっかりと支えていくことのできる、子どもと子育て世代を思い切って増やしていくこと。これが住宅都市である箕面にとって、今、不可欠の要素です。
少子化対策とは、実は最も有効な高齢化対策です。そのためにも、思い切って、子育てのしやすさでは日本一という特徴を箕面で打ち出したいと考えています。
また、なによりも箕面を箕面たるものにしているのは豊かな自然。緑を守り、自然を守ることが、結果として、暮らしやすい街をつくり、また、都市としてのブランド力を向上することになります。
住んでいる人が暮らしやすいと思えるような、緑豊かな住環境を守り育てていくこと。そして、今でも「箕面っていいよね」と言われますが、もっと羨ましがられるような街づくりをすること。街の美化も含めて、緑を守り、緑と共存した暮らしやすい街の特徴を伸ばしていくこと。箕面の最も基本的な特徴である「緑との共存」に、じっくり腰を据えて取り組んでいきたいと考えています。
(ちなみに、産経新聞が「緑を守り、共有へ」と記事にされていましたが、コレ、“共有”ではなくて“共存”とか“共生”とか言ったのを、記事にしたんだと思います。)
では、これらが絵に描いた餅かどうか?です。
こうしたやりたいことばかりを語っても、それを実現するには財政課題を直視しないわけにはいきません。どこの市町村も厳しい財政状況は同様です。ただし、その財政課題も、市町村によって内容はいろいろだったりします。
それでは、箕面市の財政課題の特性はなにか。それは、経常収支が100%を大きく上回る、つまり、経常的に赤字であるという課題です。この点について、現在の市政運営下では解決の目途は見えていません。それもそのはず、現在までの箕面の市政運営は、極めて「総花的」で、どのサービスも全国の標準か、標準より少しいいくらいというもの。結果として、支出は少しずつオーバーフローし、かつ、全体として政策的な特徴は薄れている、そんな状態にあります。
私は、「総花的」な行政運営から脱し、先ほど例示したようないくつかの特徴を中心に、“まず特徴ありき”から支出構造を改めて再編成していきたい。強く特徴づける部分をまず中心に据えて、財政的に積極的に力を入れる部分と、その代わりに少しずつ縮減する部分と、しっかりとメリハリをつける特徴ある行財政運営をしたい。その再編成のなかで、全体としての収支バランス(財政課題)は、緩やかに解決可能と考えています。
なぜ緩やかに解決可能か?それは、多くの市町村の財政課題が「赤字の累積」であり、すでに体力が失われてしまっている状態なのに対して、箕面の財政課題はその手前の「収支バランス」であり、体力がまだかろうじて残っている状態だからです。
体力の残っている箕面だからこそ、強く特徴を打ち出し、その理解を得ながらメリハリをつけることで、少しずつ収支バランスを均衡させていくというアプローチが可能です。普通の市町村ならば、そもそも体力が失われているため、すべてを縮減していくか、借金を増やしていくかしか道はありません。
なお、「体力がまだ“かろうじて”残っている」と書いたのは、その体力の代表例である基金(箕面市の貯蓄)が、この4年間で、約200億円あったものが約100億円にまで半減してしまっているからです。このままでいけば、次の4年後にどうなっているか先は見えてしまっていますが、今の段階ならば、まだ再編成が可能です。
それでは、その実行力はどこから生まれるか?です。
橋下知事がなぜあれだけの思い切った取組ができているか、それは府民の支持が背景にあるからです。
箕面市がこのように特徴を強く打ち出していくことができるか否か、その審判がまさに市長選挙です。市民の方々の支持がバックグラウンドになければ、思い切った行政運営はできません。市民の方々の支持を得ることではじめて強い実行力が現実のものとなります。
自分にとって、市長選挙は、従来の総花的な市政運営であるべきなのか、それとも、新たに特徴ある市政運営により財政課題も同時に解決していくべきなのか、その2者択一の政策選択の場だと感じています。
特に、この8月の箕面の選挙は、市長と市議会の同日選挙です。議会の支持もなければ、結果として「実行力」は伴いませんので、まさに箕面の命運を左右する極めて重要な選挙となります。この想いが説得力をもって実現するよう、箕面の未来のために全力を尽くしたいと心に誓っています。
なお、現在、マニフェストの作業も進めています。
具体策はそのなかで組み立てていくつもりです。
行政は評論家ではありません。
国にせよ地方にせよ、現実的に、実行力をもって、社会をもっとよくする、地域をもっとよくするための存在だと信じて仕事をしてきました。そして、これからも。
その想いを胸に、がんばりたいと思います。