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2010年05月31日

新緑の箕面〜快晴の週末

ちょっと最近、小難しいトピックが続いてしまってますが、リアル箕面は、晴天の下、かわらず穏やかに元気に週末を迎えています。たまにはそんな箕面の景色を。

29日(土)は「箕面シニア塾」の開校式。「箕面シニア塾」は、これまで箕面市が文化振興事業団と一緒に展開していた「高齢者教養大学」や「箕面市民大学」を一本化したもの。
サンプラザ8Fの会場は満席だし、皆さん笑顔だし騒々しいし(失礼)、いやはや元気元気元気元気。ハンパじゃないです。気圧されるくらい。
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最近、採用説明会で大学に行く機会があるんですが、大学生よりも「箕面シニア塾」参加者の方がはるかに元気・・・大丈夫か?!若者たち!(まあ、就職説明会の雰囲気と比べちゃダメですよね・・・でももっと覇気がほしい!)

近年、地区福祉会・自治会・NPOなどなど、テーマ型の団体にせよ、地縁型の団体にせよ、活発に動かれているメンバー自身の高齢化が課題になっている印象があります。
ここで、新たな活動メンバーを拡大できるか否か。このことが、この先10年間の箕面の市民活動&地域活動のチカラを左右すると感じます。

そこで、特に(僕が勝手に)有望視させていただくのが、これまで企業戦士など第一線で活躍されてきた団塊の世代の方々。・・・もちろん、学生などの若年層、僕と近い30〜40代などにも強く期待するのですが、全世代に総花的に呼びかけても効果は薄い。
まずは重点をおくターゲット層として、まさに大量退職時期を迎える最中の新たなシニア世代に、退職後、いかに地域で活躍いただくか、いただけるか。この仕組みを考えていきたいと思っています。
今回の「箕面シニア塾」のスタートはその一環。また、そういう世代の方々の相談窓口「(仮)シニア・ナビ」も市役所に開設を準備しています。それと、人材バンクのようなものも考え中・・・。

ちなみに、職員から「市長、“塾長”やってください。」と言われたんですが、人生の大先輩方を前にして35歳で“塾長”はムリ。(「じゃ“塾頭”で・・・。」「いや、それは“魁!男塾”でしょ。そういう問題じゃなくて・・・。」)
丁重にお断りして、昨年まで「高齢者教養大学」を担ってきた文化振興事業団の理事長さんにお願いして快諾いただきました。(いえ、理事長がシニア世代だとか、そういう意味では・・・。)

ともかく力強くスタートした「箕面シニア塾」。いろんな方々にとって、それぞれの“きっかけ”となり、広がっていくことを期待しています。

さて、この週末は、NPOみのお山麓保全委員会の総会や、中途障害者作業所「いきがいワーク」のリニューアル開所式などなど、ほかにもたくさんの行事・会合がありました。せっかくなので、その一部を。

29日(土)には、東小学校の運動会。秋に開催する学校が多いですが、この新緑の季節も最高です。最高の運動会日和に恵まれ、子どもたちの笑顔に思わず和みました(笑)。
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30日(日)には、スカイアリーナで第35回箕面市空手道大会。
一番小さい子は、なんと4歳から大会参加。道着がムチャクチャかわいい!・・・でも、凛々しくキマってます。やはり、日本の武道が研ぎ澄ますのは、体力・技術だけでなくココロ!
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また、先般4月に市長表彰させていただいた「ラート」の練習会があったので行ってみました。市長表彰させていただいたのは西小学校5年生の田口成美さんで、なんと全日本大会ジュニア部門で第2位(女子直転種目)に進出!
・・・といいつつ申し訳ありません。僕、実は「ラート」って知りませんでした。なので百聞は一見にしかず。
100531d.jpg
ドイツ発の競技で、これ、スポーツとしておもしろいです。それに演技を目の当たりにするとスゴい!
ちなみに、ちょっと体験させていただきましたが、ブザマな感じ・・・なので、小さな写真で・・・。
100531e.jpg競技人口は徐々に広がっている段階のようですが、練習会など体験できるところはまだまだ少ないとのこと。そんななかで箕面の西小学校で練習会があるというのは嬉しいです。これからも頑張ってください!

新緑の箕面、揺るぎなく元気です!
posted by 倉田哲郎 at 14:46 | TrackBack(0) | 活動日誌

2010年05月24日

「大阪“都”構想」をどう思う?

さて、大阪市議選(福島区補欠選挙)を「大阪維新の会」が制しました。
ホットな話題でもあり、ときどき尋ねられるテーマなので書いておきます。ちょっと長いですが・・・。

僕は、橋下知事の「大阪維新の会」には(もちろん)入りませんが(維新の会だけでなく、どこの政党にも入りませんが)、大阪府・大阪市を統合する「大阪“都”構想」には絶対的に大賛成、これは必ずやるべしという立場でいます。
一応、昨日の大阪市議選、大阪維新の会の“初陣”が圧勝を飾ったから勝ち馬に乗るとかではなく、このことは以前から表明してます・・・念のため(笑)。

東京に長く住んでいた僕にとって、たった1人の知事のリーダーシップにより都心エリア(23区)の大きなまちづくりが強く展開されるという構図は自然のこと。しかも、住民の暮らしに密着した行政分野は公選制の区長・区議会が担当するから、個々の地域特性にも民意が反映する仕組み。
その感覚からすると、大阪都心エリアのビジョンを描こうとするリーダーが2人いて(大阪府知事・大阪市長)、しかもその2人が対等に言い争ってモノゴトが進まない図というのは違和感ありありなのです。
掛け合い漫才(笑)のように言い争う知事&市長。見ていて(エンターテイメントとして)おもしろいですが、行政体としては壮大なロスとしか思えず、大阪に住むようになってから、いつも「なんじゃこりゃ」と感じてばかりでした。

制度上「政令指定都市」というカテゴリーに入る大阪市は、都道府県レベルの仕事のほとんどを独自に扱うことができるようになっており、多くの分野で大阪府の権限は及びません。その意味で、大阪府と同格と捉えてよいと思います。
その結果、大阪府は“大阪市を除いたエリア”だけを相手に仕事をする。大阪市は大阪市だけのことを考えて仕事をする。このため、都心部から緩やかに広がる「大阪」としての大きなまちづくりの視点は欠落する・・・今はそんな構造。

大阪府・大阪市の水道事業の統合が議論されたのは記憶に新しいですが、最終的な方向性が、当面は「大阪市」と「大阪市を除く市町村の連合体」の2つの水道事業でいくというモノワカレに終わったのは、一つの象徴的な事例。
ただでさえ都道府県のなかでも面積の狭い大阪府でありながら、「周囲との協調をまったく考えない大阪市」と「大阪市に手出しできない大阪府」。この両者が互いに遠慮&ケンカしするだけで並存し続ける大阪に、僕は、大都市圏としての明るい未来があるとは、正直、感じられません。

そこでモデルとなるのが東京23区の仕組み。
大阪維新の会も提唱する「大阪“都”構想」とは何か。

どちらも都心部に多くの「区」を抱える東京と大阪。行政に携わる仕事をしていなければ相違に気づかないかもしれませんが、この両者、実はまったく違う制度です。
100524.jpg
それぞれの都心部をグリップしているのは、東京は「都」(広域行政体)、大阪は「市」(狭域行政体)。・・・まずここが違う。広域の視点をもって都心エリアの都市政策ができるかどうかが異なります。
さらに「区」の性質ですが、大阪市の「区」は「大阪市役所の出先機関」(=区長は大阪市職員)、東京都の「区」は「一つ一つが独立の自治体」(=公選制の区長・区議会を擁する自治体)。・・・ここも違う。民意が身近な区政に反映するか否かが異なります。

東京の「区」は、基本的には市町村と変わりない自治体。ただし一部の権限が東京都に吸い上げられている、いわば「プチ市町村」といった存在です。
おそらく、都心エリアは東京都が強い権限を持つ代わりに、生活に密着した身近な行政は民意を反映する自治体「区」が担当し、地域特性を活かするという考え方。それが東京都モデル。
・・・これに対して、大阪の「区」は自治体でなく、実は、大阪市の行政エリアの“区切り”にすぎません。

僕は、人口集積地でありつつ面積の狭い狭い大阪には、府・市2つの権限が張り合うのでなく、広域的な視点をもった1つの強い都市政策が必要と感じます。そのためには、東京都モデルの方が優れている。だから「大阪“都”構想」に賛成します。
(ただ、自治体呼称としてのネーミングはやはり「大阪府」が好みですが。)

ただし、どこまでのエリアを大阪都が「区」として再編すべきか。これについては、僕はもうちょっと慎重に考えた方がいいと思っています。「大阪市」が都心であることは間違いないですが、それを超えて、どこまで大阪都がグリップすべきエリアか。
大阪維新の会の素案では、かなり広いエリアが「区」に再編されていますが、これは一つの案。各地域にはそれぞれ濃いアイデンティティがあるので、もうちょっと考えていいような気がしてます。

・・・個人的には、まずは大阪市を対象に東京都モデルを導入して、周辺については次のステップで考えてもいいのでは?と思ったり。・・・今日のブログで「大阪市」のことしか書かず、例えば、同じく政令指定都市の「堺市」について触れていないのは、実はそんな感想があるからです。

さて、ともかく「大阪府・大阪市の統合」は、橋下知事が初めて提唱したのでなく、実は、歴代大阪府知事が言い続けてきたことであり、かつ、実現してこなかった難易度の高いテーマであることも、忘れてはなりません。
だから諦める・・・というのでなく、諦めず理想は追求すべき。その第一歩として今回の大阪市議選を、「大阪維新の会」が“ONE大阪”を掲げて勝利したことに(前途多難なイバラの道であることを承知の上で)素直にエールを送りたいと思います。

【一応、今日の記事はここまで。ここから先は蛇足・・・。】

選挙期間中だったので書くのを控えていましたが、大阪市議選でいくつかの陣営が「橋下知事は福島区を解体する」と主張していましたが、これはハッキリいって誤り。
福島区には住民が選ぶ区長も区議会も存在しておらず、いわば大阪市役所の出張所が存在するだけで、福島区には独立した「自治」と呼べる機能はもともとありません。・・・したがって、そもそも解体の対象が存在しない。
大阪都がモデルとする東京都23区制が導入されるならば、そこで初めて住民が「区長」「区議会」を選ぶことになるので、むしろ解体ではなく「福島区の自治の“創造”」くらいに呼んだ方がいいくらいかもしれません。

それと、大阪市が大阪市のことしか考えないのは、箕面市長・市議会が箕面市のことしか考えないのと同じで、そこにいる人たち(市長・議員・職員)の役割としては当然だと思います。だから平松市長が悪いとか、大阪市議会・大阪市行政の人たちが悪いとか、そういうことではありません。
見直すべきは「仕組み(制度)」です。そこを誤解しない冷静な議論を期待します。

あと、知事が大阪市議選に介入するのはどうか?といった声もありますが、僕は、制度上は大阪府が大阪市に手を出すことができない以上、制度そのものを左右する「政治」の世界で手を出そうとするその手法は正しいと感じます。・・・まあ橋下知事らしい(笑)とは思いますが。
なお、府・市統合後の知事(大阪都知事?)は、橋下知事でなくてもいい。平松市長が就任されてもいいと思いますし、そこは選挙の民意で決まればOK。重要なのは1人のリーダーを中心に大阪全体のことを考えていく「仕組み」だと思っています。

以上、蛇足でした。

【・・・と思ったら、平松市長とのキャッチボール?!】

 ・平松邦夫大阪市長ブログ(6月17日) : 大阪"都”構想への思い…箕面市長倉田哲郎様
 ・倉田哲郎箕面市長ブログ(6月18日) : 続・『大阪“都”構想』をどう思う?〜大阪市長平松邦夫さま
posted by 倉田哲郎 at 16:49 | TrackBack(0) | 活動日誌

2010年05月18日

北大阪急行の延伸(その8)〜歴代市長が繋ぐリレーのバトン(下)

さて、北急延伸という着想があっても、新御堂筋という基幹道路があっても、国の計画に位置づいたとしても、それでも当時(平成の初頭)の萱野エリアにあったのは、ただただ広がる田んぼと畑。
いくら安定成長の時代だったとはいえ、乗降ニーズのないところに駅ができるわけはありません。その一方で、この地域は「新御堂筋(R423)」「国道171号線」という強力なアクセス道路の交点ゆえに、広大な田畑に“虫食い状のミニ開発の乱発”を招きかねない危険もはらんでいました。
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平成初期の景色。長閑に見える田園風景も、人が手をつけなければいつまでも保存される・・・というわけではなく、実は、努力しなければグチャグチャに入り組んだ街になるリスクを内包していたというのが当時の現実でした。

この田んぼや畑が無秩序に乱開発されることなく、整然とした都市核(visolaと周辺地域)を形成することができたのは、平成8年度、故・橋本卓市長の時代に事業化された萱野中央特定土地区画整理事業があったからです。そして、この萱野中央特定土地区画整理事業は、これを引き継いだ梶田功市長の時代、平成15年10月に完成を迎えます。

実際、当時の運輸省(現・国土交通省)からは「需要のない田畑地域に鉄道を早期に延伸する大儀がない。需要があってこそ延伸計画は進んでいく。受け皿づくりを考えてください。」と厳しく指摘されたという話も残っています。
こうした指摘を受けた故・橋本卓市長・梶田功市長は、地元の方々に理解を求めます。これに地元も呼応してくれました。
その結果、例えば、地権者の側(箕面新都心まちづくり協議会)が自ら地権者版「箕面新都心まちづくり基本計画」を作成して、「集客力のある商業施設を誘致する」といった枠組みをつくる努力も重ねられています。

こうして地権者が共同して“集客力のある商業施設”として誘致し完成したのが、カルフール(現・イオン)を含む「箕面マーケットパーク『visola』」(現・みのおキューズモール)
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ハコ型のショッピングセンターではなく、広々としたオープンエアーで緑豊かな都市核。オープン以来、平成16年:870万人→平成21年:960万人と、順調に来場者数を伸ばしています。
まさしく、住民参加の「箕面新都心まちづくり協議会」「箕面新都心生活デザイン検討委員会」などを中核に、故・橋本卓市長・梶田功市長の2代にわたって取り組まれてきたまちづくりのコンセプトが、色あせず今でも受け入れられている証と感じます。
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なお、同じく故・橋本卓市長時代の終わりに作成され、梶田功市長に引き継がれて発行となったのが「第4次箕面市総合計画」
このなかのリーディングプラン(重点項目)の1つが「箕面新都心の整備」(←萱野中央のこと)なのですが、同ページには関連プロジェクトとしてハッキリと「北大阪急行線の延伸構想」と明記されています。

そして、実際、この萱野中央特定土地区画整理事業のなかで、故・橋本卓市長・梶田功市長は、(visolaの民営駐車場も十分あるのに)わざわざ市営駐車場&かやの広場を、箕面市の所有地として確保します。
この土地(市営駐車場&広場)は、まさしく北急延伸のときに新設する「(仮)新箕面駅」と駅前ロータリーの予定地。・・・もちろん、この約10000平米の用地確保も地権者の協力あってこそ。
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10年後か20年後かわからずとも必ず実現させる鉄道延伸に備えて、広大な駅用地を確保する。このあたりからも、鉄道延伸計画に備え続けてきた歴代市長の一貫した姿勢をビンビン感じます。

その後を引き継いだのが藤沢純一市長の時代。前市政までに完了したハード整備を前提として、関係者との協議が進められます。そして、平成20年4月には、大阪府・箕面市・阪急電鉄・北大阪急行電鉄の4者で、鉄道延伸の事業化に向けて、国などの関係機関に対する調整を協力していく旨の覚書が締結され、ようやく今に至っています。

現在の僕は、こうした歴代市長の流れを引き継いで存在しています。まさしくリレーでバトンを渡していくが如く、着想から現実のまちづくりへ、それぞれの時代で役割を果たし、一つずつ積み重ねられて、やっと条件が整ってきたのが今です。
歴代市長へのリスペクトを胸に、これらの努力を引き継いだ身として、一気呵成に実現へのステップを踏んでいくこと。自分なりに納得した今となっては、この行動こそが、僕が諸先輩に対してお返しすることのできるすべてだと感じています。

北大阪急行の延伸(その9)〜市長に就任してから(上)”に・・・つづく

【シリーズ:北大阪急行の延伸】
・2010.04.02 北大阪急行の延伸(その1)〜なぜ突き進めるのか?
・2010.04.05 北大阪急行の延伸(その2)〜市民の意向はどうなのか?
・2010.04.08 北大阪急行の延伸(その3)〜鉄道延伸のメリットは?
・2010.04.12 北大阪急行の延伸(その4)〜財政的に耐えうるのか?
・2010.04.20 北大阪急行の延伸(その5)〜知れば知るほど賛同してくれると信じて
・2010.04.27 北大阪急行の延伸(その6)〜行財政改革と北急延伸は両立する?
・2010.05.11 北大阪急行の延伸(その7)〜歴代市長が繋ぐリレーのバトン(上)
・2010.05.18 北大阪急行の延伸(その8)〜歴代市長が繋ぐリレーのバトン(下)
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・2014.03.31 決着〜北大阪急行線の延伸の事業化合意
posted by 倉田哲郎 at 10:58 | TrackBack(0) | 活動日誌

2010年05月11日

北大阪急行の延伸(その7)〜歴代市長が繋ぐリレーのバトン(上)

さて、北大阪急行線の延伸。関われば関わるほど、これは歴代市長がリレーのようにつないできたプロジェクトだと実感します。

北急延伸については、最近になって急速に露出が増え、僕も声を大にしているせいか(稀にですが)僕が発案したプロジェクトかのように誤解してる人すらいます・・・が、もちろんそんなことはありません。
僕が、今、全力で勝負をかけることができているのは、歴代市長のそれぞれの時代での努力の積み重ねがあり、ちょうどそれらの“機”が熟してきたからです。せっかくですので、そんな振り返りもここでまとめておきたいと思います。

まず、いきなり遡りますが、僕が驚くのはなによりも国道423号「新御堂筋」。
今でこそ当たり前のように走ってますが、大阪万博に間に合うように開通したこの道は、当時のことを考えれば、常識的には千里中央あたりまでで十分だったはず。野山・田畑以外になにもなかった萱野の地まで、(たぶん当時にしてみれば)無茶苦茶な幅広さのあの道路をブチ抜くという発想。・・・聞けば、かつての大阪市長(関一さん)が都市計画の専門家(大学教授)であったことが、すべての始まり。
「都市計画」とは“100年先を見通してつくる計画”といいますが、この道が箕面の中東部のすべての発展の礎となったことは疑いようもありません。都市計画恐るべし・・・北急延伸の発想も、この新御堂筋がなければ絶対に生まれてこなかったことと思います。

この新御堂筋の存在を前提として、北急を(新御堂筋と同様に)萱野まで延伸しようと着想して方向づけたのは、故・黒山宣雄市長の時代。
昭和43年9月に策定された「箕面市総合計画」(箕面市にとって初めての“総合計画”)に、すでに「特に軌道の市域内延伸は、本市将来の発展に不可欠な要件」「北大阪急行電鉄株式会社・高速鉄道1号線榎阪駅から府道御堂筋線に沿って国道171号線との交点までの新設路線の延伸」との記述が。
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ちなみに、この昭和43年に策定された総合計画。先日、初めて目にしたのですが、驚くべきことに、現在の箕面市の都市構造の青写真がほとんど網羅され描かれています。40年以上の時を経て読んでもまったく古さを感じさせない計画。当時の箕面市政の先見性を感じ、改めて箕面市のスゴさを見せつけられた気がしました。

そして・・・まだこの頃は箕面市(だけ)が求めているにすぎなかった北急延伸構想を、正式に国の政策として位置づけ、“構想”から“計画”へと転化させて現実路線へ道をひいたのが故・中井武兵衞市長の時代。
昭和50年11月に策定された「新箕面市総合計画基本計画(原案)」(=第2次箕面市総合計画)には、「本市の将来の発展を考えるとき、北大阪急行及び阪急千里山線の延伸は不可欠」との記述が。ただ、この時点ではまだ「将来の課題」という構想レベルの扱い。
それが、この10年後、昭和61年に策定された「第3次箕面市総合計画」に、ついに「北大阪急行線や国道423号線(新御堂筋線)の延伸を促進する」と意思をもってハッキリ盛り込まれます。これが、おそらく正式な行政“計画”として鉄道延伸が掲載された一発目。
さらにその直後、平成元年、北急延伸が、初めて正式な運輸省(現:国土交通省)の運輸政策審議会答申に「整備に着手することが適当である区間」と位置づけられることとなりました。

ちなみにですが、今、箕面市が保有している貯金(基金)のほとんどは、この故・中井武兵衞市長の時代に積み立てられたもの。
北急延伸だけでなく、福祉施設・図書館・小中学校など、ときどきに必要とされた財政出動に箕面が対応してこれたのも、そして(本来あるべき姿ではありませんが)ここ数年の経常赤字に箕面市が(貯金を取り崩すことで)耐えてこられたのも、ひとえに故・中井武兵衞市長のおかげ・・・これを否定できる人は誰もいないと僕は思います。

ここから今の僕にバトンが渡ってくる間には、まだ3人の市長がいます。まだまだリレーは続きます・・・。

北急延伸その8“歴代市長が繋ぐリレーのバトン(下)”に・・・つづく

【シリーズ:北大阪急行の延伸】
・2010.04.02 北大阪急行の延伸(その1)〜なぜ突き進めるのか?
・2010.04.05 北大阪急行の延伸(その2)〜市民の意向はどうなのか?
・2010.04.08 北大阪急行の延伸(その3)〜鉄道延伸のメリットは?
・2010.04.12 北大阪急行の延伸(その4)〜財政的に耐えうるのか?
・2010.04.20 北大阪急行の延伸(その5)〜知れば知るほど賛同してくれると信じて
・2010.04.27 北大阪急行の延伸(その6)〜行財政改革と北急延伸は両立する?
・2010.05.11 北大阪急行の延伸(その7)〜歴代市長が繋ぐリレーのバトン(上)
・2010.05.18 北大阪急行の延伸(その8)〜歴代市長が繋ぐリレーのバトン(下)
・2010.06.23 北大阪急行の延伸(その9)〜市長に就任してから(上)
・2010.07.01 北大阪急行の延伸(その10)〜市長に就任してから(下)
・2013.12.19 北大阪急行の延伸〜先行してちょっとだけ中間報告
・2014.02.12 北大阪急行線の延伸〜2020年度の開業にむけて
・2014.03.31 決着〜北大阪急行線の延伸の事業化合意
posted by 倉田哲郎 at 01:30 | TrackBack(0) | 活動日誌
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名前:倉田哲郎
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一言:箕面市長(2008〜2020年)の倉田哲郎です。
大阪府箕面市で地方自治を全力でドライブ。

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