報道での伝わり方とは少し違って(?)、僕の場合、前の記事でも“「育休」モード”と呼んだとおり、現実には仕事しながら家のこともしてるって状況です。・・・そんなわけで今日も内閣府の会議出席のため東京往復(おかげで新幹線でブログが書けたわけですが)。
会議とは別に、待機児対策担当・障がい者制度担当の内閣府政策統括官の村木厚子さんにも接触できたので、いろいろ箕面のことを含めて相談ごと。・・・そう、先日まで大変だった元・厚生労働省の村木さんです。初めてお会いしましたがソフトで優秀な方という印象。復帰して元気に仕事されてる様子でなによりでした。

賛成の声はともかく、育休取得について批判をいただくわけですが、その大半は、(1)育休がとれるのは恵まれた環境のみ、(2)公人は家のことを二の次にするべし、といったご意見。
まず、「(1)育休がとれるのは恵まれた環境のみ」について言えば、僕は、そもそも社会として「育休」の必要性の是非をどう判断するかが先だと感じます。この判断は個々人いろいろとは思いますが、政府は推進のスタンスで、世の中そういう方向に変わっていくべしとの立場。もちろん箕面市もそうです。(まず、これが空虚なプロパガンダではないと思いたい。)
仮に「社会として育休は必要」と判断されるならば、僕は「取得できる環境にある者は率先して取るべし」と考えます。なぜなら、そういう環境ですら取得しづらいようでは社会そのものは絶対に変わらないから。
なお、その行政をあずかる首長なら取得努力はなおさらです。・・・これは、社会を変えていくか?変えようとしないか?の問題であって、首長として判断がアマイとかアマクナイとかで左右されることではありません。
ただ、逆に言えば、「世の中に育休なんてイラナイ」と判断されるなら、恵まれた環境の人がとることも、ましてや、首長がとることも、批判されて当然です。したがって、まずは「育休ってなんだ?」「世の中で育休は必要なのか?」をちゃんと考えるのが先。僕はそう思います。
次に、「(2)公人は家のことを二の次にするべし」について言えば、育休(モード)を宣言することと、公人として役割を果たす話はまったく別問題。
公人は、24時間、公人です。早朝だろうと、深夜だろうと、食事中だろうが、トイレだろうが、家にいようが、平日だろうが、週末だろうが、公人は公人。これまでもそうですし、これからもそう。当たり前ですが、育休を宣言しようが、病気で寝込もうが、夏休みをとろうが、公人は公人。
首長の仕事はどこまでいっても人格から離れずついてまわります。それは当然のことですし、どんな状況下にあれど、その仕事をこなし続けることも当然のこと。
育休(モード)を宣言したところで、その状況が変わるわけでも、優劣がつくわけもなく。なぜなら、どこまでいっても365日・24時間・公人だから。
・・・だから家にいてもメールで仕事してたり、今日も上京してたりするわけですが。
(むしろ、それを“育休”と称していいかどうかの方が本当は問題だったりします。)
ちなみに、これはかなり余談ですが、政治家じゃない人にご批判いただくのはまったくかまわないのですが、いわば同業者である政治家(公人)が「公人たるもの!」「公人として理解できない」とか僕を批判するのは筋違いと感じてます。(←念のため。コレ橋下知事じゃないです。知事との見解の相違は“率先してとるべきかどうか”なので、どちらかといえば(1)の方。)
そう言う同業者の人は、そんなカッコつけるほど、家にも帰らず夜も寝ず、毎分毎秒気張って“公人”やってるんですかね。公人24時間ってのは、そんなカッコつけて務まるものじゃなくて、いざというときにどんな状況下でも即反応できる瞬発力を意識し続けられるかが最重要というのが僕の実感です。
育休(モード)を宣言したのを「公人なのにプライベートを優先した」とか言うのは、逆に“公人24時間”っていうのが実感を伴って理解できていないんじゃないか?と疑いたくなります。(まあ、流れにのって安易に発言してるのだろうとは思いますが。)
ちょっと長くなりましたが(2)は政治家特有の話なのでイロイロ評価があっていいとも思ってます。
でも、(1)については、そもそも「世の中に育休が必要か?」という根本問題・・・この点についての通念や印象のブレがまだまだ激しい、というのが(言われるまでもなく)今回の感想です。これでは育休の取得環境はなかなか進まない。
・・・たった数日ですが、仕事と挟まれながら慣れない家事をする。
自分の実感としても、また、育休取得経験のある男性の声をきいても、実際の「育休」って気力・体力ともにけっこう大変で、ハッキリ言って仕事だけしてた方がラクかも・・・などと思うことも。ところがその実態に反して、傍から見るとすごく「お休み」っぽいイメージが付きまとうのも「育休」の一つの問題かもしれません。
厚生労働省は“イクメン”なんてつまらない呼び名を流行らせようとか考える前に、「育児“休暇”」「育児“休業”」っていう呼び名を再考した方がいいんじゃ?などとも・・・しょうもない話ですが、意識変化ってこんなディテールが功を奏することもあります。
もちろん、市町村レベルでも地道に足をつかって企業の説得にまわったり、できることはある。それを怠るつもりはありません。
橋下知事の発言でかなり賛否の声がでましたが、せっかくなので、これを機会に「そもそも育休ってなんだ?」「いるのか?いらないのか?」という議論や思考がさらに飛び交い広がるといいと思ってます。
・・・まずはそこから、と思いつつ僕の「育休」モードはもう数日(11月5日まで)続きます。