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2011年09月27日

小野原に図書館ができるまで(3)

前回までの「小野原の図書館をどうしよう???」という話はさておき、まったく別の経過として、図書館については、かねてから幾度となく行財政改革からの課題が指摘され続けてきました。

遡れば、すでに12年前(1999年10月)の「箕面市・行政改革推進5カ年計画」のなかで、図書館に対して、「効率的な業務運営への見直しにより人件費の削減を図る」ことを目標に「管理運営について民間委託を検討する」との指摘がされています。
箕面市で初めて「行政改革」というキーワードが語られたのが1995年頃(行政改革推進本部の設置)なので、この1999年というのは箕面市の行政改革の歴史(?)のなかでは、かなり初期の頃。それ以降、数年毎に重ねられてきた行政改革プログラムの類には、必ずと言っていいほど「図書館」が課題として指摘され続けました。
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かれこれ10年以上にわたり、図書館は行財政改革において課題視され続けてきてるわけです・・・が、その一方で、一覧してわかるとおり、多少の手法の違いこそあれ、その内容はほとんど変わっていません。
・・・すなわち、「課題視され続けてきたけど、まったく解決もされてこなかった」ということ。

10年以上も解決されてこなかった、その原因はなにか?
僕は主に2つの要因があったと感じています。

1つ目の要因は、図書館が、いわば閉じた組織、特殊な仕事であり、業務の全体像〜細部まで、外からはわかりにくく、本当にどこをどうしたらいいのかを分析しづらいこと。・・・これはどんな業務でもあることなのですが、なかでも図書館には専門職が多く、人材の流動性が少ないため、特に顕著。
他の市役所業務の多くは、人事異動などで経験してる職員も多いため、「こうすればもうちょっと工夫できるのでは」という知恵がそこそこ出てくるし、だいたい見当もつく。そして、他の業務とも比較して考えやすい(ここではこんな工夫してるから、あそこの課でも同じようなことができるんじゃないか?・・・みたいな)。
ところが、専門職が多く、そのほとんどが就職以来ずっと図書館しか経験したことがない「図書館」は事情が違う。限られた職員しか実務を知らないので、外部の誰も「こうすれば工夫できる」と確信をもてない。・・・したがって、なにかのきっかけで、実際に図書館のなかで仕事をしている職員がホンキにならなければ、課題解決への道が見えない。

一般的な組織の課題としてよく語られる「業務のブラックボックス化」というのは、大なり小なりどんな組織でもあるものです。・・・が、箕面市では図書館という巨大な領域がまるごとブラックボックス化してしまっていたこと。このため、どこからどう手をつけていいものか、外からは非常にわかりづらいこと。これが、図書館の課題解決がされてこなかった要因の一つと感じます。

もう1つの要因は、図書館が非常に市民の関心の高い施設であり、なにか見直しを考えようとすると、すぐに"大きな"反対の声があがるため、そもそも見直しがタブー視されてきたこと。
例えば、図書館の課題を指摘した行革へのパブリックコメント(意見募集)では、必ず多数の反対意見が提出されます。それ自体は、どんな分野でもあることなのですが、(あえて強く書きますが)その動きが過剰すぎる印象を受けます。
僕が市長に就任させていただいてからの行革(緊急プラン)のときも目にしましたが、「反対意見を送りましょう!」みたいな扇動的で大きなポスターが、図書館の入口にデカデカと貼られたりもしてました。・・・図書館を利用される方はいろいろなわけですが、その多くの人が誤解するような表現で。
たぶん10年以上前から、大なり小なりこうしたことが繰り返されてきたのだろうと思います。まだ何も決まっておらず、これから知恵を絞ろうとしている段階なのに、あたかも「すでに誤った方向に進んでいる」と決めつけ誤解させるような宣伝行為。・・・これに、政治と行政は萎縮します。票をもらわなきゃいけない政治は特に。(まあ、そういう勇気のない政治が悪いのですが。)
もちろん反対意見はあって当然だし、むしろ議論を熟成させるためにはウェルカムです。でも、こうした「検討そのものを封殺するような雰囲気」や、「見直し検討の"着手"そのものに反対」という、冷静さを欠いた議論では、この時代、良い答えはでないと僕は思います。

なお、そうした図書館の行革反対の動きをされてきた方々にもいろんな立場の人がいるのですが、その一部には、これまで図書館に携わってきてくださったボランティアの方なども(たぶん)おられます。
図書館には多くのボランティアの市民の方がかかわってくださっています。たくさんの図書館がある箕面の場合、特にその意義(=地域に根ざした図書館)は大きい。まさしく、そうした方々の支えがなくては箕面市の図書館の効用は最大化されません。
でも、そうした方々が「図書館を大事にしたい」「図書館を守りたい」というひたむきな想いのみでしてきた反対行動が、内部業務を見直す(工夫する)動きすら抑圧してしまい、図書館業務の多くを古い古い手作業の世界に氷づけにしてきてしまった側面があるのも現実だと感じます。
それは、その方々が悪いのではなく、勇気を出さずに正面からの議論を避けてきた政治や、守られ甘やかされるまま工夫なく甘んじてきた職員の責任だと僕は思っています。・・・実際、僕がここに切り込もうと言い出したとき、「市長の選挙に悪影響があるのでは?大丈夫ですか?」と心配の声をかけてくれた職員もいたくらいでしたから。

正面からの議論を避け続けることは、結果として、図書館が時代に取り残されていくことや、また、時代によっては持続不能となっていく可能性を惹起することになります。反対運動を受け止めず、ただ当たり障りなく収めるというのは、僕は、本当の意味では図書館を大切にしてくださる方々に対してむしろ失礼だし、無責任じゃないかとも思ってます。
少し長くなりましたが、こうした過剰な行革反対の雰囲気に起因して、過去の行政内部では、図書館の見直しを検討すること自体がタブーのような状況になってしまっていたのも現実。これが要因の二つ目だと感じます。

・・・あくまで政治・行政の内側から見るとですが、大雑把に言えば、まさに職員も心配してくれたくらいに「手をつけると痛い目にあいそう」「中身の見えないブラックボックス」・・・そんな風に映っていたのが箕面市の「図書館運営の見直し」というテーマだったのでした。
あまりこの分野に関わっていない市民の方々にとっては、たぶん「ふーん」って感じだろうと思うのですが・・・。

そんな背景を経て、話は2010年10月頃に戻ります。

「(小野原だけの話ではなく)図書館全体の運営を見直すことで、トータルのコストバランスをとっていくことができないか?」・・・僕にとって、それが打開可能性を模索できる唯一の道として定まりました。
「市長の選挙に悪影響があるのでは?大丈夫ですか?」と心配されても、僕の場合、これがダメなら、もっとしんどい話(別の地域の図書館をつぶすとか)をしなきゃならない状況なわけです。だから、いわば"捨て身"。・・・今こそ、12年以上にわたる箕面の行政改革の黒歴史(?)にピリオドを打つべしと腹を括りました。

これまで手をつけてこれなかった「図書館運営の見直し」。これによって、箕面市全体でどれだけの効果が捻出できるのか?・・・スタートは小野原エリアの問題でしたが、前の記事に書いたとおり箕面市全体のバランスの問題であると気づいた今は、ここが勝負ポイント。
そして、この「図書館運営の見直し」の副次的な効果として、小野原に図書館をつくれるかどうかが左右される。

小野原の公共施設が「ヤマにあがった」2010年10月頃
それは、僕がそんな覚悟を決めたタイミングでもあったのでした。

長くて完結しませんでした(汗)・・・次回こそ最終回
posted by 倉田哲郎 at 16:04 | TrackBack(0) | 活動日誌

2011年09月25日

小学校の運動会写真集2011

先週はとどろみの森学園の運動会。そしてこの週末は、箕面市内たくさんの小学校で運動会でした。
今朝(日曜日)は少し雨が降ったので、学校の先生たちは早朝からグラウンドの整備に大忙しだったみたいですが(おつかれさまです!)、運動会そのものは2日とも晴天で最高のコンディション。

一部の学校で、PTA・地域の方々の競技に一緒に参加させていただいたんですが、特に、豊川北小学校の「追いかけ玉入れ」はくやしかった・・・。相手チームの鬼のフェイントがホンキだったため完敗。

今年もまたそれぞれに濃密な思い出になるシーンがたくさん出現したことと思います。
子どもたちはもちろんのこと、学校・地域・保護者の皆さん、本当におつかれさまでした!

今回は取り急ぎの運動会写真集。
元気な箕面の子どもたちに笑顔を!
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・・・番外編。
北小学校の校長先生と一緒に。
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posted by 倉田哲郎 at 17:19 | TrackBack(0) | 活動日誌

2011年09月17日

滝ノ道ゆずる参戦!(ゆるキャラグランプリ2011)

・・・図書館の話の途中ですが。

今年もやってきました「ゆるキャラグランプリ2011」!!!
箕面をPRするがんばり屋さん“滝ノ道ゆずる”が今年も参戦しました。

全国のゆるキャラグランプリを決める人気投票。
昨年は、新人(?)ながら5843票を獲得し、全国170キャラ中14位という大健闘でした。
滝ノ道ゆずるファンの皆さん、また、箕面ファンの皆さん、今年もぜひ応援をお願いします。

投票はこちら(↓)です。

ゆるキャラグランプリ2011 - 滝ノ道ゆずる
http://yurugp.jp/yuruchar.php?id=91
yuzurugp2011.jpg
携帯は、こちらのQRコード(↑)から滝ノ道ゆずるの投票ページへダイレクトにどうぞ。
投票期間は11月26日(土)まで。1日1票(1キャラ)投票できます。
(「ユーザ登録」を求められますがメールアドレスだけです。)

滝ノ道ゆずるに、どうか清き一票(?)をよろしくお願い申し上げます!
posted by 倉田哲郎 at 09:44 | TrackBack(0) | 活動日誌

2011年09月13日

小野原に図書館ができるまで(2)

小野原の公共施設計画が身動き取れなくなったのが2010年10月頃の話。
うーん、答えがでない・・・こんなとき、けっこう僕は立ち止まって考えます。いろんな立場の意見はあるけれど、それらを一旦全部忘れて、「そもそもなんだっけ?」「どうあるべきなんだっけ?」と。

「図書館がほしい」という要望・・・なぜこれが出てくるかといえば、まあ、乱暴に言えば「近くにあったら便利だから」。そう言ってしまえば、(傍から見れば)とっても利己的にうつる話なわけですが、だったらそれをスッパリ断ることに対して、なぜ僕のなかに違和感があるのか。
スッパリ断る気分にならないのは、今の地域からの声が強いからか?昔から望む声があるからか?・・・いやいや、それらを頭から追いやったとしても僕のなかには違和感が残る。

・・・というわけで、立ち止まって改めて考えてみると、答えは地図にありました。
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地図を眺めたら一目瞭然。
箕面は市域の南側のに東西に長細く市街地が広がってますが、6つある図書館の配置は明らかに西に偏っていて、東には1つだけ。これは「あるべき姿」ではない。程度問題ならともかく、明らかすぎるくらい偏りのある現実がある限り、税を預かり公平性を根幹とする行政にとって、課題であり続けることは間違いない。

もちろん、歴史的に市街化の早かったエリアにサービスが充足していて、後から市街化してきたエリアにはサービスが追いつかない・・・そういう差異があることは致し方ないです。ゆっくりでも解決に向かうならば、それも一つの道ですが、この件は解決に向かうとは考えにくい。
また、箕面市に1つしかない(1つで十分な、または、1つしか作れない)施設なら、住む場所によって地理的に不公平が出ることも致し方ないです。でも、6つもあるのに地域バランスを逸しているのはやはりおかしい・・・というより「不公平だ」と言われて行政に返す言葉はない。

・・・とするならば、誰かがどこかのタイミングでこの不均衡を是正するしかない。それは、市長や議会にしかできない役割だと思えます。

そして、この不均衡の是正には2つの道があります。
「空白エリアに図書館を増やす」「過密エリアの図書館を減らす」か。

後者については、たぶん「いくら不均衡だからって、せっかくあるものをなくすってのは暴論だ」という声もあるかと思います。でも、税金は平等に払ってるのに、それが遠いところの図書館の充実に使われる・・・納税者にその不公平感の現実があることを考えれば、僕は決して暴論でもなんでもないと感じます。フェアであろうと思えば。
だから、僕が小野原に「図書館をつくれません」という結論をもっていくときは、同時に「(別の地域の)図書館を減らすこと」も方針化して表明しよう・・・(とっても悲壮感漂う役割ですが)僕はその覚悟でいました。

・・・というわけで、選択肢は2つに定まります。

(1)小野原に図書館をつくる。
(2)小野原に図書館をつくらず、他の地域の図書館を減らす。


「財政に余裕がないから図書館をつくれない」というのが2010年10月頃の結論だったわけです。とすれば、答えは(2)しかなくなるわけですが・・・はたして本当にそうなのか?
当初は「小野原の公共施設をどうするか?」の問題として始まった話ですが、上記のとおり、本質的な問題は箕面市全体のバランスの話。ならば小野原だけで考えて軽々に結論を出していいというものではありません。

ここまで思い至った僕の頭の中には、実に10年以上前から繰り返されてきた箕面の行政改革の経過のことがありました。

長いので次回に続く・・・たぶん次で完結?)
posted by 倉田哲郎 at 13:20 | TrackBack(0) | 活動日誌

2011年09月08日

小野原に図書館ができるまで(1)

9月議会(箕面市議会定例会)が始まりました。
9月の議会は、前年度「決算」の審査も加わるため、普段の定例市議会(1ヶ月くらい)より長い10月下旬までになります。もちろん決算だけじゃなく、防災対策予算とかいろいろと議案を提出してるんですが、そのなかに、小野原エリアに図書館を新設するための予算があります。
今回のこの予算案の提出は、小野原エリアに図書館を新設することを、初めて正式に提案するアクションであり、予算が可決されればすなわち小野原に図書館ができることを意味します。

世の中全体の流れからすれば小さな街の小さな出来事かもしれませんが、僕の仕事的には、ここまでくるのは、なんというか・・・ドラマチック(?)な展開でした。記録を兼ねて書きとどめておきます。
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さて、もともと小野原・・・というよりも正確には「国道171号線より南側で、新御堂筋より東側」のエリア、つまり「箕面市の地図の右下くらい」のエリアは、学校・コミュニティセンターを除くと公共施設の空白地域でした。このため、小野原エリアでは、以前から公共施設がほしいという声がありました。中でも特に「図書館機能」が。
これは市長に就任させていただくよりも遥か昔、僕がまだ箕面市役所の職員として働いていた2003年頃にはすでに聞こえていたのを記憶しています。そして、当時、行政改革も担当していた僕の正直な印象は「図書館を増やすなんて狂気の沙汰」という感じでした。

なぜなら箕面市にはすでに6つの図書館があります。人口13万人規模で6館あるというのは一般的な市町村からすれば明らかに突出。例えば、お隣の池田市(10万人)で2館。摂津市(8万人)も2館。人口が2倍の茨木市(27万人)でも5館。人口が3倍の豊中市・吹田市・高槻市でもそれぞれ9館・6館・5館。
人口を図書館の数で割ってみると(1館あたりの人口)、北摂では「約4万人(摂津市)〜約7万人(高槻市)で1館」というのが標準的ですが、箕面市はその半分以下の「約2万人で1館」という計算になります。これは極めて特異。なお、2005年に箕面市が監査法人トーマツに委託した財政分析でも、そのことが指摘されています。

どこに住んでも近くに図書館がある・・・たしかにこれは「箕面市のウリ」であることに間違いありません。でも、それを支える財政は火の車、数字は非情なものです。2003年当時ですら財政見通しの厳しさは明白でしたし、その後、実際に2008年にかけて箕面市の財政状況は悪化の一途をたどっていきました。

一方で、2006年12月には、小野原周辺の自治会や自治連合会による「小野原のまちづくりを考える協議会」から提言書が出されており、そこでは地域に必要な公共施設として「未来型図書館」(蔵書を極力少なくし新刊書や雑誌等を中心とした構成/一般図書などはパソコン等で予約・取り寄せ・貸し出し)という姿が示されています。

こうした背景を経ながら、2010年頃に小野原西エリアの市街地整備が完了し、まちびらきとなりました。以来、多くの皆さんが目にされているとおり、小野原エリアは急成長を続けています。
そして、もともと小野原西の土地区画整理事業のなかでは「公共施設用地」を捻出することが予定されていました。それが今の「ほっともっと」「ミルフィーユ」の裏側あたりにある空間(↓赤い矢印)です。
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航空写真の左端に見えてるのが千里国際学園・・・だいたい位置関係わかりますか?
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そう、僕が市長に就任させていただいた2008年後半というのは、もうすぐ小野原西のまちびらき時期で、いよいよ長年の懸案だった「公共施設を本当にどうするのか?」について答えを出さなきゃいけないというタイミングだったのでした。
もとより楽な財政状況じゃありません・・・というより箕面市始まって以来初めて決算で経常赤字に転落したという、いわばズタズタだった2008年頃です。そんななかで財源の捻出から考えなきゃならない。そもそもやれるかどうかすらわからない。そんなスタートでした。

着目したのは、課題となってる施設は小野原だけではないということ。箕面市内の複数施設の課題整理、土地の売却、施設整備に充てられる国の補助金などをトータルで考えて、全体として箕面市の財政負担を増やさずに答えを求めようと考えました。そうやって悩んだ末にまとめあげたのが「施設再編プロジェクト(たたき台)」(2010年9月)でした。
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これは、新設が必要な施設、老朽化などで更新が必要な施設など、いくつかの施設機能の整理・統合をしながら、空いた土地を売却して、国の補助金とあわせて財源を捻出することで、市として新たな持ち出しなく施設整備を進めていくというプラン・・・いわばパズルのように。
公共施設の空白エリアだった小野原にも、西部・東部両方に施設を整備する目途(=財源)をつけることができたのは、このプランをまとめることができたからでした。

ただし、ここで市として小野原(西)に提案したのは「多文化交流センター」であり、図書館ではありません。図書機能としては、施設の一角に小さな「図書コーナー」を置くというものでした。

・・・というのは、図書館はとっても運営コストのかかる施設なのです。今は6館で約3.9億円の運営経費が毎年かかっています。
「施設再編プロジェクト」で建設コスト(初期費用)まではなんとか捻出したものの、箕面市の財政構造の特性上「運営経費」のように毎年かかるコストの増は致命的というのが現実。提案した「図書コーナー」はコンパクトながらも前述の「小野原のまちづくりを考える協議会」の提言書(2006年12月)を踏まえたものであり、市としては精一杯というのが本音のところでした。

ところが、小野原の地域説明会で、この案は大反対にあいます。図書館を望む意見が大勢を占めたためです。それほど、地域として想いが強かったということ。
それでも担当職員は市の事情を説明し続けました。・・・が、ご理解を得ることはできず、この件はいわば「ヤマにあがった」状態になりました。それが2010年10月頃のこと。

僕は、そこまで地域の想いが切実ならば、その想いに誠実でありたいと思いました。
その一方で、小野原だけでなく全市民からお預かりした税金ですから、不用意な税支出で財政バランスを崩すことも全市民に対して不誠実なこと。それも絶対にしたくないのが僕のスタンスです。
・・・この両者を解決できる唯一の道、その可能性は少しは頭にあったのですが、改めてそれを徹底的に探ろうと考えました。同時に、それでも無理ならハッキリ「図書館は無理です」と言う覚悟でもありました。

長いので次回に続く
posted by 倉田哲郎 at 16:10 | TrackBack(0) | 活動日誌
プロフィール
名前:倉田哲郎
誕生日:昭和49年(1974年)6月7日
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一言:箕面市長(2008〜2020年)の倉田哲郎です。
大阪府箕面市で地方自治を全力でドライブ。

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