初日の今日は、施政方針を述べたうえで、新年度(H25)予算案を提出。この後は、市議会の「会派」ごとの代表質問というのが行われて、それから各分野の委員会にわかれた審議に入っていくことになります。
今回、提出した新年度(H25)予算案の詳細はこちらに資料を掲載していますが、一番コンパクトにまとめたのは“コレ(予算)”と“コレ(方針)”の2枚(A3)です。
初めて市長に就任させていただいてから通算5回目の予算編成作業になりました。
市長2期目の最初の予算案ですが、この5年間ずっと一貫するスタンスは変わらず、今回も、財政規律を守り(=子どもたちの世代にツケをまわさない)、それでいて緊縮せず、積極投資も仕掛けるかなりメリハリのある予算案に仕上がりました。
まず、箕面市の最大の財政課題である「経常収支」。つまり“収入と支出のバランス”のことですが、新年度も1.0%改善し、今回で3年連続の改善、5年連続の経常黒字を達成することができました。V字回復ぶりはグラフのとおり。次に、箕面市の“貯金”にあたる「基金」。
今回、この10数年間では初めてのことなのですが、一切、基金を減らさずに予算編成できました。結果として、5年前と比べて基金残高は約17億円増やす(貯める)ことができています。これもV字回復。そして、箕面市の“ローン”にあたる「市債」。
今回も、新たな市債発行は抑制し、過去の市債の繰り上げ償還(返済)もできたので、市債残高を約7億円削減しました。5年前と比べて市債残高は約21億円減らすことができています。今回の予算案は、(1)収支バランス(経常収支比率)は3年連続の改善&5年連続の経常黒字を達成し、(2)基金(=貯金)に頼らない予算編成を果たし、(3)市債残高(=ローン)も圧縮する、という、総じて高いレベルで財政規律を堅持することができました。単年度の視点だけで見ればかなり完璧に近い財政規律です。
・・・ただし、今回の予算案であっても、箕面市が従来から依存している「臨時財政対策債」という不安定な国の財源からは、まだ完全に脱却はできていません。特に、社会保障関係費(扶助費)の伸びが予想以上に大きく、せっかくの財政改革の効果が削がれているのも現実です。
先日、箕面市が公表したかなりドラスティックな公務員制度改革などを実行して、このまま気を抜かずにいけば、不安定な国の財源に頼らない完全な収支均衡に到達する見通しはもっていますので、どうか引き続き市民の皆さまにもご協力・ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
この5年間で、ここまで財政改革が大きく進んだのは、補助金の見直しなど市民の皆さまにご協力&ご理解(「しょうがないなぁ」というのも含めて)をいただいてきたおかげです。
今の世代のツケを子どもたちの世代にまわさないというのは、今を生きるオトナの最低限の誠意と責務だと思ってます。皆さまのご理解に心から感謝申し上げます。
さて、毎年書いてますが、ただ一律にカットするだけなら誰でもできることで、大切なのは、削減と投資をどう両立させていくかです。・・・新年度も、必要なところには大胆に踏み込んだつもりです。例えば、
- 木造住宅の耐震診断の無料化や、地域の公園の防災ステーション化
- 子どもの医療費助成の大幅拡大(中学校卒業まで・所得制限なし)
- 小児インフルエンザ予防接種への助成制度の新設
- 小学校の放課後に子どもがプログラムを選んで参加する「新・放課後モデル事業」(2校)
- 通学路の歩道改良・拡幅や自転車専用道の整備
- 北大阪急行線の延伸準備(事業化合意後の実施設計・周辺道路整備)
- オレンジゆずるバスの本格運行(5月スタート)&日曜・祝日の買い物ルートの新・社会実験
- 小野原図書館、多文化交流センター、新・松寿荘、子育て支援センターなどのオープン
詳しくはこちらにまとめてありますが、こうした予算編成も新しいサービスも、すべては真面目に頑張ってくれている市役所職員あってのこと。相変わらず世間では公務員へのお叱りも多いですが、頑張ってる職員もたくさんいますので、ときどきは「頑張れ」と声をかけていただけると嬉しいです。
なお、今回の市議会には、この新年度予算だけでなく、国の緊急経済対策に対応した補正予算案も追加提出していくことになります。詳細はまた公表資料を出しますが、例えば、全小学校へのエアコン配備や、消防無線のデジタル化、東生涯学習センター駐車場の大幅拡張などなど、いろいろ準備しています。
国の経済対策のときは、もともといつかは箕面市でやらなければならない事業を、国の大幅な支援を受けて、まとめてやってしまうチャンスなのです。うまく活用すると箕面市の将来の財政負担がものすごく楽になるので、これもがんばります。
そんなわけで、今回の市議会も盛りだくさんの議会審議になります。
ちゃんと議決していただき、早期に実現できるよう、全力でぶつかります。