これは、他市の学校で起こった事件への教育委員会の対応などをきっかけに、ニュース報道などでもいつになく教育委員会のあり方への疑義があがっているという背景もありますが、僕自身が市長1期目の4年間を経験してきて、市町村の教育委員会は、大所高所から論じるだけでなく、もっと当事者に近い存在であった方が、教育政策にとっても、子どもや保護者のためにもいいと強く感じてきたからです。・・・保護者自身が教育委員になり、高い切実感・緊迫感をもって教育委員会を動かしていくほうが絶対にいい。
正直、「応募してくれる人なんているんだろうか」「何人くらい手をあげてくれるんだろう」と不安もあったのですが、教育委員の公募には34名の応募をいただきました。
・・・実は、大阪市が、ほぼ同時期に同じように「保護者」を条件として教育委員を公募していたのですが、大阪市では“応募者ゼロ”で募集期間が延長になったとのこと。熱意ある箕面市の保護者の皆さんに本当に感謝です。(・・・たくさんの応募があって、正直、ホッとしました。)
4次にわたる選考をさせていただき、最終的に4名の方に教育委員をお願いすることにしました。当初は公募枠3名の予定だったのですが、選考を経るなかで、自信をもってお願いしたい人材と感じたので4名としました。
教育委員会というのは、箕面市の教育のすべてを仕切る重要な存在です。
すべての市立小中学校の管理執行権限はもちろんのこと、幼稚園や子育て支援センター、はたまた生涯学習まで。そして、(一度、任命した後は)その権限は市長からも独立してますので、そのあり様はなおさら大事。

・・・もっと言えば、(僕もそうですし、誰にとっても)自分の子どもを預けても大丈夫と感じられるような存在であってほしい。
そこで、僕が新たに描いた教育委員会の設計図は、理性的な要(かなめ)として教育分野に精通した人材を教育委員長に据え、事務局を取り仕切る実務能力(と実行力)に長けた人材を教育長においたうえで、その2名以外の枠をすべて緊迫感をもつ当事者(保護者か、地域で子育て活動をしている人)で占めてしまうというもの。
この「当事者」にあたる人材を広く一般から求めたのが今回の公募でした。
(※)念のためですが、「“保護者”を教育委員にする」と聞いて、いわゆる“モンスターペアレント”的なものを想像し危惧する人がいるようなので、それは明確に否定しておきます。そんな人がいても選考しませんので。保護者として当たり前の切実感を持ちつつ、全体のことも考えられるような人材が、箕面にはたくさんいます。・・・皆さんの身の回りにいるような普通の方々です。
教育委員会の人数は、法律で5名と決まっていますが、条例で増やすことができるので、今回の議会で教育委員会を6名にする条例案を提出しています。成立すれば、「公募委員4名+学識経験者2名」のバランスよく力強い教育委員会ができあがります。

そして、教育委員長候補としては、前・豊中市教育長で、箕面を含む3市2町の教育人事権の委譲などの中心として活躍してきた山元行博さんを。また、教育長候補としては、これまで市長政策室長として箕面市役所の実務を仕切ってきてくれた具田利男さんを。
この6名を教育委員人事として今回の議会に提案し、4月から新体制に移行したいと考えています。
個人的には、現時点で最強の布陣と自負しています。
いずれも行儀よくチーンとおさまってる雰囲気ではありませんので、教育現場にも頻繁に赴き、箕面の子どもたちのためにガンガン仕事をしてもらえるものと期待しています。
なお、もともとは前任の教育委員さんの任期満了ごとに、段階的に新委員に入れ替わっていくことを想定していました。ところが現在の小川修一教育委員長が、今回の改選趣旨に強く賛同してくれて、委員長ご自身が公募委員4名の選考作業にも携わってくださいました。そのうえで、バラバラと新体制に移行するのではなく、卒業式・入学式の間の年度の切れ目で引き継ぐのが望ましいと、委員長が他の任期満了近い委員さんと調整してくださったため、4月から新体制に移行することになりました。
現在の教育委員の皆さんは、全小中学校の耐震化、中学校給食の導入、箕面子どもステップアップ調査の導入、大阪府からの教育人事権の委譲などなど、本当にいろんな新機軸を強力に進めてくださいました。
・・・小川委員長も、あまり型にハマったことが好きでない気質とのこと。そんな柔軟さがあったから、「保護者中心の教育委員会」という新たな次元に円滑に移行できたんだと感じます。最後まで素晴らしい仕事をしてくださった現在の教育委員さんたちに、本当に感謝です。
4月1日からの新・教育委員会。バリバリやってくれるのを期待しています。
ほとんどが公募委員になりますので、市民の皆さんにとって身近な方や、同じ感覚の方ばかりと思います。どうか、同じ目線で教育委員会への応援よろしくお願いします!
