平成27年第1回の箕面市議会がスタートしました。今議会は、新年度の予算案の審議がメインテーマで、3月末までかけて論戦が続くことになります。
新年度予算の詳細はこちらに資料をまとめていますが、なかでも一番コンパクトにまとめたのが“コレ(H27主要施策)”と“コレ(予算の全体像・数値関係)”の2枚です。
初めて市長に就任させていただいてから、早いもので通算7回目の予算編成。
今回の予算で7年連続の経常黒字を達成。市長就任時から基金残高は99億円を積み増し、駅周辺整備など今後の大型事業に備えた財政余力も整えることができています。
2015年度(H27)予算も、「子どもたちの未来にツケをまわさない」という基本スタンスをぶらさず、極めて高い財政規律をキープした安定的な予算に仕上げることができました。新年度予算の内容は盛りだくさんなのですが、なかでも個人的に、スゴイなぁ、頑張ってくれたなぁ、と嬉しく思うことの一つは、箕面市立病院への経常赤字補填が遂にゼロ(法定繰出金もナシ)になったこと。(以前は、毎年10億円くらい税金から赤字補填していました。)
合理化による減量経営ではなく、医師を増やし、スタッフも増やし、医療サービスを拡充し、お客様を増やしてきた箕面市立病院の努力と積極経営による黒字化です。これからも、いざというときの箕面の安心の要として、市立病院には頑張ってほしいと思います。
また、ちょっと思い入れの強い新規施策として、病気のお子さんを預かる「病児保育」のスタートというのもあります。(部屋の個室化工事が必要なので、実際のサービス開始は来年明けになります。)
箕面市では、これまでも病後児保育をやっていたのですが、「事前登録制」「病“後”児のみ」「医師の診断書が必要」と、けっこう利用ハードルが高いものでした。
これを、事前登録不要で、病中のお子さんもOK、時間がなければこちらでお医者さんにも連れて行く(実費)、というサービスに改変していきます。・・・朝、子どもが急に熱を出したけど、会社を休めない。
病気の子どもの傍にいてあげたいと思うのは、どんな親も同じ。それでもシフトを変更できなかったり、抜けられない会議があったり、急には休めないこともあるのが仕事の現実。
つらそうな子どもの姿に心を痛め、それでも一緒にいてあげられない自分を責めながら、心苦しい思いで預けられる相手を探し、後ろ髪をひかれつつ仕事をする。仕事と子育ての狭間で発生するそんな負担を、せめて少しでも箕面市が軽減できればと思っています。
このほかにも、
・ 自治会の防犯カメラ設置促進キャンペーン(9割補助)
・ 台風・ゲリラ豪雨などの風水害の抜本対策
・ 新たな「認知症地域支援推進員」の配置
・ 府内唯一の「無料がん検診」
・ 「オレンジゆずるタクシー(福祉有償運送)」の実証運行
・ 小中学校の英語指導助手を3倍に増員
・ 不登校の子どもを支援する学生サポーターを2倍に増員
・ 桜井駅前の再整備、箕面駅前第一駐車場の建替え
・ 下水道使用料の値下げの検討
などなど、新年度もやるべきことが盛りだくさん。
こうした取り組みも、すべては真面目に頑張ってくれている市役所職員あってのこと。
世の中、公務員へのお叱りも多いのは事実ですが、頑張ってる職員もたくさんいますので、ときには「頑張れ」と励ましの声をかけていただけるとありがたいです。
さて、現在、箕面市は大幅に人口を伸ばしており、ありがたいことに3年連続で住みよさランキング「大阪1位」(東洋経済新報社「住みよさランキング2014」)にも選んでいただいています。こんな好循環も、箕面を大切に思ってくださるたくさんの市民の皆さんのおかげです。
今の箕面の前向きな雰囲気を大切にし、さらに愛される街にしていくためにも、新年度も市役所一同がんばりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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2015年02月25日
箕面市の新年度(H27)予算案
posted by 倉田哲郎 at 19:30
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2015年02月08日
「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」をマジメに考える
【注1】最近、この手の話はツイッターにしてるのですが(特に理由はないです)、7つもあって分離するとわかりにくくなるので、今回はブログに書くことにしました。
【注2】僕は大阪都構想に賛成で、スタンスは5年前に書いた「「大阪“都”構想」をどう思う?」から変わっていません。初見の方は、先にそちらを読んでいただいたほうがいいかと思います。
(前置きはこのくらいにして、以下、本文)
ニュージーランドから帰国してみたら、京都大学教授の藤井聡氏なる人が書いた「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」なるものが盛り上がっていました。
「ヘドロチック」発言ばかり話題になりますが、そもそも「7つの事実」とやらが(僕は“ヘドロチック”のことを知る前に読んだのですが)、正直、どれも「え?」という内容でしたので、以下、順番にコメントしておきます。
【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません.
“大阪府の名称は住民投票では変わりませんよ”って話。
・・・これを一番にもってくる時点で、正直、唖然(@_@)としました。
名称なんてどうでもいいのです。それは5年前に「『大阪“都”構想』をどう思う?」で、僕自身が「自治体呼称としてのネーミングはやはり『大阪府』が好みですが」と書いたとおり。中身が大事。
それを「事実1」とか言って最初に大々的に主張されてる時点で、学者さんが書く主張として、あまりにアホらしくてビックリしました。
【事実2】今の「都構想」は,要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです.
そのとおり。問題の本質は、京都府全域(人口255万人)を上回る異常な規模の「大阪市」(267万人)が、狭いのに「大阪府」と縄張り争いするという構造的歪み。府・市のどっちかが悪いとかじゃなくて、構造が悪い。
その構造問題の解消手法が特別区化。今も昔も都構想はまったく同じ。5年前に「『大阪“都”構想』をどう思う?」で書いたとおりです。
なお、府市・都区の仕事の分担(誰が仕事をするか)が変わるだけで、必ずどこかの部署がこれまでどおりの行政サービスをしますから、大阪市民が○○区民になっても不利益はありません。むしろ○○区役所は(箕面市役所のように)コンパクトで身近なものになります。
【事実3】年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します.
この不見識には驚きました。
大阪市民も大阪府民でしょう?住民は、大阪市(区)からでも、大阪府(都)からでも、ちゃんとサービスが充足されるなら、どちらからでもいいはずです。そして、住民は、民主主義を通じて「市(区)」「府(都)」をコントロールします。
それなのに、今の大阪市の2200億円分のサービスが、どこか大阪市民の手の届かないところへ行って使われてしまうような「流出」という表現。“特別区に権限がないから、大阪市「外」に流出する”という飛躍したロジック。
“「都」は大阪市(区)民にはサービスを一切提供しない”(区民≠都民)という完全に誤った立場からの説明としか考えられません。
これは、不見識か、作為的か、どちらかとしか言いようがないです。
【事実4】流出した2200億円の多くが,大阪市「外」に使われます.
これは、何回読んでも意味がわかりません。なにを根拠に言ってるのか、藤井聡氏の書く「都道府県の財政運営の『法的常識』」なるものがいったいなんなのか、誰か教えてほしいです。
・・・というか、京都大学の教授ともあろう人が「7つの“事実”」と称して書くことじゃないでしょう。だって、文末が「・・・可能性も,十二分以上に考えられるわけです」ですよ。つまり、事実じゃないじゃないですか(笑)。
これはさすがに脇が甘すぎるんじゃないですか。7つのなかで最もツッコミどころ満載の「事実」でした。
【事実5】特別区の人口比は東京は「7割」,でも大阪では「たった3割」
当たり前です。密集する都市部では、人口は面積に比例します。23区の面積は東京都全域の“28%”、大阪市の面積は大阪府全域の“たった12%”ですから、7:3の規模比率もキレイに一致します。
面積が“たった12%”で居住人口も「たった3割」の大阪市に、大阪全域から労働力が流入することで、大阪の経済は支えられています。従って、藤井聡氏のいう「手厚い行政」は、面積「たった12%」の大阪市域だけでなく、より広域で行われるべきです。
そして、藤井聡氏は“面積12%に重点的に配慮することが大阪のためになる”という考えのようですが、それは違うでしょ。大阪の場合、富を生み出すエリア(都心)を、いかに12%以上に広げて、関西全体の人たちを受け止めて発展できる都市インフラを構築できるか?を考えなければダメでしょう。
もう少し将来を考えてほしいところです。
【事実6】東京23区の人々は,「東京市」が無いせいで「損」をしています.
最後のほうになるにつれ、無理やり感が高くてイヤになってきます。
「もしも『東京市』だとしたら,東京都心はもっとさらに強烈な集中投資が進んでいる」とか書いてあるんですが、現実的に、これ以上なにを東京都心部に投資しろというんですかね。
要するに“大阪市内に住んでる人だけが得をすればいい”、“富が余っても絶対に周辺に投資はしないぞ!”という主張なわけですが、面積12%しかない狭い大阪市だけでどう発展しようというのか?と問いたいです。
【事実7】東京の繁栄は「都」という仕組みのせいでなく,「一極集中」の賜(たまもの)です.
これには驚きました。・・・これは書くべきじゃなかったと思います。
言うに事欠いて、“大阪は努力せず諦めろ”ってことでしょう?
誰も、行政組織が「都」に再編されたからって、いきなりバラ色になるなんて思ってませんよ。今までより少しでもマシな仕組みにして、ちょっとでも大阪の停滞を打破しようよって、ささやかな希望だけです。
それなのに藤井聡氏は、「そもそもの経済規模が全く違うのからなのです」「人口についても経済規模(GDP)についても,大阪市と東京23区との間には,実に4倍前後のもの巨大な格差があるのです」「首都東京に,あらゆるモノが一極集中している」「これが,東京23区の豊かさの秘密です」などと、一生懸命に東京の凄さを説き、“大阪には無理だから”、“努力しても無理だから”と教えてくださってるようです。
要するに、大阪はどんなに頑張っても無理なんだから、改善する努力すら無意味だから諦めろよ、と。・・・これはいただけない。
以上、最後のほうは(大阪で政治に携わってる者として)ちょっと腹立たしくなるのが自然だと思います。
万が一、この「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」なる主張に賛同する大阪の政治家がいたら、それは辞めていただいたほうが大阪のためになります。・・・特に「事実7」の記載はクリティカル。
さて、現在、藤井聡氏は、大阪維新の会からの公開討論の申し入れに対して、「私の議論のどこが間違っているのか何の指摘もありません。これでは討論を始めることすらできない。」と書いています。
正直言って、橋下市長ほか大阪の政治家が、指摘する気すら失せているだろうことは、上記のとおりよくわかります。・・・それでも誰か書いといたほうがいいかなと思ったので、(僕は大阪維新の会じゃありませんが)大阪都構想に賛同する身として、マジメにコメントしておきました。
是非の議論は大歓迎です。反論いただけるならどうぞ。
(なお、僕は仕事柄、公開討論などもお受けできますので。)
いずれにせよ、5月17日に向けて、議論が熟す一助となれば幸いです。
【注2】僕は大阪都構想に賛成で、スタンスは5年前に書いた「「大阪“都”構想」をどう思う?」から変わっていません。初見の方は、先にそちらを読んでいただいたほうがいいかと思います。
(前置きはこのくらいにして、以下、本文)
ニュージーランドから帰国してみたら、京都大学教授の藤井聡氏なる人が書いた「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」なるものが盛り上がっていました。
「ヘドロチック」発言ばかり話題になりますが、そもそも「7つの事実」とやらが(僕は“ヘドロチック”のことを知る前に読んだのですが)、正直、どれも「え?」という内容でしたので、以下、順番にコメントしておきます。
【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません.
“大阪府の名称は住民投票では変わりませんよ”って話。
・・・これを一番にもってくる時点で、正直、唖然(@_@)としました。
名称なんてどうでもいいのです。それは5年前に「『大阪“都”構想』をどう思う?」で、僕自身が「自治体呼称としてのネーミングはやはり『大阪府』が好みですが」と書いたとおり。中身が大事。
それを「事実1」とか言って最初に大々的に主張されてる時点で、学者さんが書く主張として、あまりにアホらしくてビックリしました。
【事実2】今の「都構想」は,要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです.
そのとおり。問題の本質は、京都府全域(人口255万人)を上回る異常な規模の「大阪市」(267万人)が、狭いのに「大阪府」と縄張り争いするという構造的歪み。府・市のどっちかが悪いとかじゃなくて、構造が悪い。
その構造問題の解消手法が特別区化。今も昔も都構想はまったく同じ。5年前に「『大阪“都”構想』をどう思う?」で書いたとおりです。
なお、府市・都区の仕事の分担(誰が仕事をするか)が変わるだけで、必ずどこかの部署がこれまでどおりの行政サービスをしますから、大阪市民が○○区民になっても不利益はありません。むしろ○○区役所は(箕面市役所のように)コンパクトで身近なものになります。
【事実3】年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します.
この不見識には驚きました。
大阪市民も大阪府民でしょう?住民は、大阪市(区)からでも、大阪府(都)からでも、ちゃんとサービスが充足されるなら、どちらからでもいいはずです。そして、住民は、民主主義を通じて「市(区)」「府(都)」をコントロールします。
それなのに、今の大阪市の2200億円分のサービスが、どこか大阪市民の手の届かないところへ行って使われてしまうような「流出」という表現。“特別区に権限がないから、大阪市「外」に流出する”という飛躍したロジック。
“「都」は大阪市(区)民にはサービスを一切提供しない”(区民≠都民)という完全に誤った立場からの説明としか考えられません。
これは、不見識か、作為的か、どちらかとしか言いようがないです。
【事実4】流出した2200億円の多くが,大阪市「外」に使われます.
これは、何回読んでも意味がわかりません。なにを根拠に言ってるのか、藤井聡氏の書く「都道府県の財政運営の『法的常識』」なるものがいったいなんなのか、誰か教えてほしいです。
・・・というか、京都大学の教授ともあろう人が「7つの“事実”」と称して書くことじゃないでしょう。だって、文末が「・・・可能性も,十二分以上に考えられるわけです」ですよ。つまり、事実じゃないじゃないですか(笑)。
これはさすがに脇が甘すぎるんじゃないですか。7つのなかで最もツッコミどころ満載の「事実」でした。
【事実5】特別区の人口比は東京は「7割」,でも大阪では「たった3割」
当たり前です。密集する都市部では、人口は面積に比例します。23区の面積は東京都全域の“28%”、大阪市の面積は大阪府全域の“たった12%”ですから、7:3の規模比率もキレイに一致します。
面積が“たった12%”で居住人口も「たった3割」の大阪市に、大阪全域から労働力が流入することで、大阪の経済は支えられています。従って、藤井聡氏のいう「手厚い行政」は、面積「たった12%」の大阪市域だけでなく、より広域で行われるべきです。
そして、藤井聡氏は“面積12%に重点的に配慮することが大阪のためになる”という考えのようですが、それは違うでしょ。大阪の場合、富を生み出すエリア(都心)を、いかに12%以上に広げて、関西全体の人たちを受け止めて発展できる都市インフラを構築できるか?を考えなければダメでしょう。
もう少し将来を考えてほしいところです。
【事実6】東京23区の人々は,「東京市」が無いせいで「損」をしています.
最後のほうになるにつれ、無理やり感が高くてイヤになってきます。
「もしも『東京市』だとしたら,東京都心はもっとさらに強烈な集中投資が進んでいる」とか書いてあるんですが、現実的に、これ以上なにを東京都心部に投資しろというんですかね。
要するに“大阪市内に住んでる人だけが得をすればいい”、“富が余っても絶対に周辺に投資はしないぞ!”という主張なわけですが、面積12%しかない狭い大阪市だけでどう発展しようというのか?と問いたいです。
【事実7】東京の繁栄は「都」という仕組みのせいでなく,「一極集中」の賜(たまもの)です.
これには驚きました。・・・これは書くべきじゃなかったと思います。
言うに事欠いて、“大阪は努力せず諦めろ”ってことでしょう?
誰も、行政組織が「都」に再編されたからって、いきなりバラ色になるなんて思ってませんよ。今までより少しでもマシな仕組みにして、ちょっとでも大阪の停滞を打破しようよって、ささやかな希望だけです。
それなのに藤井聡氏は、「そもそもの経済規模が全く違うのからなのです」「人口についても経済規模(GDP)についても,大阪市と東京23区との間には,実に4倍前後のもの巨大な格差があるのです」「首都東京に,あらゆるモノが一極集中している」「これが,東京23区の豊かさの秘密です」などと、一生懸命に東京の凄さを説き、“大阪には無理だから”、“努力しても無理だから”と教えてくださってるようです。
要するに、大阪はどんなに頑張っても無理なんだから、改善する努力すら無意味だから諦めろよ、と。・・・これはいただけない。
以上、最後のほうは(大阪で政治に携わってる者として)ちょっと腹立たしくなるのが自然だと思います。
万が一、この「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」なる主張に賛同する大阪の政治家がいたら、それは辞めていただいたほうが大阪のためになります。・・・特に「事実7」の記載はクリティカル。
さて、現在、藤井聡氏は、大阪維新の会からの公開討論の申し入れに対して、「私の議論のどこが間違っているのか何の指摘もありません。これでは討論を始めることすらできない。」と書いています。
正直言って、橋下市長ほか大阪の政治家が、指摘する気すら失せているだろうことは、上記のとおりよくわかります。・・・それでも誰か書いといたほうがいいかなと思ったので、(僕は大阪維新の会じゃありませんが)大阪都構想に賛同する身として、マジメにコメントしておきました。
是非の議論は大歓迎です。反論いただけるならどうぞ。
(なお、僕は仕事柄、公開討論などもお受けできますので。)
いずれにせよ、5月17日に向けて、議論が熟す一助となれば幸いです。
posted by 倉田哲郎 at 01:29
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2015年02月05日
ニュージーランド・ハット市を訪問
箕面市は、ニュージーランドのハット市と国際協力都市提携(いわゆる姉妹都市)を締結しています。
締結は1995年(平成7年)・・・そう、2015年の今年はちょうど20周年にあたります。
このため、今年は箕面市とハット市のそれぞれで20周年記念の式典を開催するのですが、まずはハット市の式典参加のため、1月29日〜2月4日にかけてニュージーランド・ハット市を訪問してきました。
なお、箕面市での式典は9月(日程調整中)に計画しており、ハット市からレイ・ウォレス市長が来日参加する予定です。
ハット市にある「MINOH HOUSE(ハット箕面友好ハウス)」にてウォレス市長と
・・・さて、いわゆる姉妹都市提携ですが、正直な心境を吐露すれば、以前、僕は箕面市にどういうメリットがあるのか、ちょっと迷ってました。特に、7年前の市長就任当時の財政難のなかで、どれだけのリソース(税金)をそこに割くべきか、割いてどれだけのメリットを見出せるのか・・・と。
もちろん国際交流がマイナスとは思ってません。市民間交流も大歓迎です。でも、地方行政としてリソース(税金)を使ってどこまでやるべきか、となるとちょっと話は別です。おそらく、どの自治体も、多かれ少なかれ悩みもあると思います。・・・もともと国際交流に理解のある人には「なにを言ってるんだ」と怒られるかもしれませんが、納税いただく方すべてがそうではありませんので。
当初、そんな迷いを抱えていたのですが、方向性が定まる転機となったのは3年前。市民訪問団の皆さんと一緒にプライベートでニュージーランド・ハット市を訪れたときでした。
とてもラッキーだったのは、ニュージーランドが「日本と昼を共有する(=時差の少ない)英語圏の国」という希少価値を見出せたこと。3年前の訪問中に、ハット市のウォレス市長や市民訪問団の人たちと一緒にディスカッション(っていうか雑談ですけど)するなか、その着想に至ったのが転機でした。
昔はありえなかったけれど、今はインターネットがあります。20年前と違って、極めて低コストにリアルタイムのテレビ会議(テレビ電話)システムを組むことができます。
日本で見直しされつつある英語教育、なかでもコミュニケーション能力を育てていくことが喫緊の課題とされるなか、学校どうしをスカイプでつなごう。それも、授業で10分だけつなぐとかでなく、ロビーや廊下で大型ディスプレイをつなぎっぱなしにして、生々しくコミュニケーションする機会を作ろう・・・と。
これは、昼夜逆転しているアメリカやヨーロッパ諸国とは不可能。時差の少ないオセアニアの国でなければできない芸当。「日本と“昼”を共有する英語圏の国」という希少性が大きな意味をもちます。
これなら「国際協力都市」であることを最大限に活用できる。・・・そう確信して、帰国後、早速、ハット市と準備を進め、ようやく実現したのが昨年3月。
休み時間にキャーキャー言いながらカタコトの英語と身振り手振りで交流する小中学生の姿を目にして、ようやく僕の迷いも消えました。箕面市の提携先が、ほかでもないニュージーランド・ハット市であったことに感謝です。
昨年の箕面市の彩都の丘学園(小中一貫校)の様子
以来、彩都の丘学園、止々呂美の森学園と、小野原図書館(多文化交流センター)に、ハット市との「窓」が常時開放されています。
箕面市の設備は国のモデル事業として、ハット市の設備は企業寄付により実現できました。システムといっても、大型ディスプレイとPCを用意してスカイプでつないでるだけなので、ランニングコストはインターネット回線費用のみ。・・・画像の粗さを心配しましたが十分でした。
今回訪問したハット市のトゥイ・グレンスクールから彩都の丘学園を覗きこむ
こうして現代らしい新たなツールも得ながら、晴れて国際協力都市提携20周年を迎えることができて、本当によかったー!と思っています。
そして、今回は箕面市としてかなり久しぶりの公式訪問となりました。同行いただいた箕面市ハット市友好クラブ、箕面市美術協会、箕面市茶華道文化連盟ほか皆さんに感謝です。
ハット市では、20周年記念式典とあわせてHutt Minoh House Friendship Trustによる「Tomodachi Day」という親日イベントも開催されていました。また、市役所(耐震化工事中なので仮庁舎)での意見交換や学校見学などなど、かなりタイトに詰め込んだ濃いスケジュールでしたが、本当にあたたかく迎えていただきました。
僕は公式行事ではステージ上なので自分で写真が撮れず、どうしても公式行事以外のショットが中心になっちゃいますが、以下、雰囲気を。
市長室でミーティング後の記念写真
ハット市役所は耐震工事中で、移転先の仮庁舎だったんですが、カッコいいです。
親日イベント「Tomodachi Day」にて、空手のデモンストレーション
ハット市のトゥイ・グレン・スクールの子どもたち、とっても陽気
9000キロ離れた彩都の丘学園と「にらめっこ」で勝負中
ハット市のエプニ・プライマリー・スクールの先生たちにプレゼンテーションする具田教育長
今回の訪問は、外務省・総務省・文部科学省の派遣プログラムを活用した英語指導員の箕面市への派遣協力や、箕面市美術協会とハット市美術協会の新たな交流など、新たなテーマも生まれた非常に内容の濃いものになりました。
次は、9月頃、箕面市がハット市の訪問団をお迎えすることになります。
あたたかく歓迎して、日本と箕面の良いところを伝え、さらに交流を深められればと思っています。関心のある皆さんにも、ぜひご協力をお願いできれば幸いです!
締結は1995年(平成7年)・・・そう、2015年の今年はちょうど20周年にあたります。
このため、今年は箕面市とハット市のそれぞれで20周年記念の式典を開催するのですが、まずはハット市の式典参加のため、1月29日〜2月4日にかけてニュージーランド・ハット市を訪問してきました。
なお、箕面市での式典は9月(日程調整中)に計画しており、ハット市からレイ・ウォレス市長が来日参加する予定です。
ハット市にある「MINOH HOUSE(ハット箕面友好ハウス)」にてウォレス市長と
・・・さて、いわゆる姉妹都市提携ですが、正直な心境を吐露すれば、以前、僕は箕面市にどういうメリットがあるのか、ちょっと迷ってました。特に、7年前の市長就任当時の財政難のなかで、どれだけのリソース(税金)をそこに割くべきか、割いてどれだけのメリットを見出せるのか・・・と。
もちろん国際交流がマイナスとは思ってません。市民間交流も大歓迎です。でも、地方行政としてリソース(税金)を使ってどこまでやるべきか、となるとちょっと話は別です。おそらく、どの自治体も、多かれ少なかれ悩みもあると思います。・・・もともと国際交流に理解のある人には「なにを言ってるんだ」と怒られるかもしれませんが、納税いただく方すべてがそうではありませんので。
当初、そんな迷いを抱えていたのですが、方向性が定まる転機となったのは3年前。市民訪問団の皆さんと一緒にプライベートでニュージーランド・ハット市を訪れたときでした。
とてもラッキーだったのは、ニュージーランドが「日本と昼を共有する(=時差の少ない)英語圏の国」という希少価値を見出せたこと。3年前の訪問中に、ハット市のウォレス市長や市民訪問団の人たちと一緒にディスカッション(っていうか雑談ですけど)するなか、その着想に至ったのが転機でした。
昔はありえなかったけれど、今はインターネットがあります。20年前と違って、極めて低コストにリアルタイムのテレビ会議(テレビ電話)システムを組むことができます。
日本で見直しされつつある英語教育、なかでもコミュニケーション能力を育てていくことが喫緊の課題とされるなか、学校どうしをスカイプでつなごう。それも、授業で10分だけつなぐとかでなく、ロビーや廊下で大型ディスプレイをつなぎっぱなしにして、生々しくコミュニケーションする機会を作ろう・・・と。
これは、昼夜逆転しているアメリカやヨーロッパ諸国とは不可能。時差の少ないオセアニアの国でなければできない芸当。「日本と“昼”を共有する英語圏の国」という希少性が大きな意味をもちます。
これなら「国際協力都市」であることを最大限に活用できる。・・・そう確信して、帰国後、早速、ハット市と準備を進め、ようやく実現したのが昨年3月。
休み時間にキャーキャー言いながらカタコトの英語と身振り手振りで交流する小中学生の姿を目にして、ようやく僕の迷いも消えました。箕面市の提携先が、ほかでもないニュージーランド・ハット市であったことに感謝です。
昨年の箕面市の彩都の丘学園(小中一貫校)の様子
以来、彩都の丘学園、止々呂美の森学園と、小野原図書館(多文化交流センター)に、ハット市との「窓」が常時開放されています。
箕面市の設備は国のモデル事業として、ハット市の設備は企業寄付により実現できました。システムといっても、大型ディスプレイとPCを用意してスカイプでつないでるだけなので、ランニングコストはインターネット回線費用のみ。・・・画像の粗さを心配しましたが十分でした。
今回訪問したハット市のトゥイ・グレンスクールから彩都の丘学園を覗きこむ
こうして現代らしい新たなツールも得ながら、晴れて国際協力都市提携20周年を迎えることができて、本当によかったー!と思っています。
そして、今回は箕面市としてかなり久しぶりの公式訪問となりました。同行いただいた箕面市ハット市友好クラブ、箕面市美術協会、箕面市茶華道文化連盟ほか皆さんに感謝です。
ハット市では、20周年記念式典とあわせてHutt Minoh House Friendship Trustによる「Tomodachi Day」という親日イベントも開催されていました。また、市役所(耐震化工事中なので仮庁舎)での意見交換や学校見学などなど、かなりタイトに詰め込んだ濃いスケジュールでしたが、本当にあたたかく迎えていただきました。
僕は公式行事ではステージ上なので自分で写真が撮れず、どうしても公式行事以外のショットが中心になっちゃいますが、以下、雰囲気を。
市長室でミーティング後の記念写真
ハット市役所は耐震工事中で、移転先の仮庁舎だったんですが、カッコいいです。
親日イベント「Tomodachi Day」にて、空手のデモンストレーション
ハット市のトゥイ・グレン・スクールの子どもたち、とっても陽気
9000キロ離れた彩都の丘学園と「にらめっこ」で勝負中
ハット市のエプニ・プライマリー・スクールの先生たちにプレゼンテーションする具田教育長
今回の訪問は、外務省・総務省・文部科学省の派遣プログラムを活用した英語指導員の箕面市への派遣協力や、箕面市美術協会とハット市美術協会の新たな交流など、新たなテーマも生まれた非常に内容の濃いものになりました。
次は、9月頃、箕面市がハット市の訪問団をお迎えすることになります。
あたたかく歓迎して、日本と箕面の良いところを伝え、さらに交流を深められればと思っています。関心のある皆さんにも、ぜひご協力をお願いできれば幸いです!
posted by 倉田哲郎 at 19:03
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