それは、「“箕面好きの箕面の人”を増やす」というテーマです。
今さらながらですが、僕は住んでいて「ホント箕面っていいところだな」ってよく思います。
都心部(梅田)から15キロ、新大阪からたった10キロという至近にありながら、山なみを背にする穏やかな低層の街並み、ところどころで視界に広がる田畑。昔の市長が「住んでよしの箕面」と言っていたそうですが、まさしくそのとおり。“便利さ”と“環境の良さ”が絶妙なバランスで共存する街です。

今、僕は3人の子育て中なので、子どものために尽力してくれてる人の存在を特に感じますが、それだけでなく、山麓の保全活動、地域の福祉活動、はたまた趣味やスポーツの活動から国際交流まで、みんなスッゴク前向き。

僕は箕面生まれではなく、箕面にご縁をいただいたのはまったくの偶然だったわけですが(13年前、前職の人事異動でたまたま「箕面市に行ってこい」と言われたのが縁)、その幸運には今でも感謝しています。
そして、箕面の人って(僕と同じように)箕面のことが大好きだったり、ちょっと誇らしく思ってる人が多いなぁ、というのもつくづく感じます。

(・・・まあ、箕面の場合、僕が増やそうとしなくても勝手に増えてく感はあるのですが(笑)。でも、市役所の努力次第でこれをさらに加速することはできるだろうと思っています。)
では、「箕面好きの箕面の人」をどうやって増やすのか。
それは、暮らしのなかのふとしたタイミングで「ああ、箕面でよかった」と感じてもらうよう意識的に努力すること。「困ってたことがあったけれど救われてよかった」という“よかった”でもいいし、「住んでて嬉しい」という“よかった”でもOK。「おお、箕面すごいな」でもOKです。ともかく、多くの人にとって、そう感じる機会が増えれば、より「箕面好きの箕面の人」が増えるだろうと信じて仕事をしています。
一人一人の市民が、いわばユーザレベルで(昔のICT分野の仕事の感覚だと“ユーザ”という言葉がしっくりきます)“よかった”と感じてもらいたい。そう感じてもらうには市役所は何をすればいいか。実は、そんなことをいつも考えながら仕事をしてきました。
・・・というのも、住む街に対してプラスの意識(気質)を持っている人(=箕面好きの箕面の人)の総数が、将来にわたり、街がより住みやすくなっていくかどうかを左右する、そこに住む人の幸せの総量を左右する。また、他の地域から引っ越してきてくれる人をも惹起する。・・・そう切実に感じるからです。
近年は、「そんなプラスのスパイラルを、この箕面で加速させたい」と強く思いながら仕事をしています。
例えば、身近な地域行事への参加もこの「気質」が左右する。
近所のふとした課題改善への取組もこの「気質」が左右する。
市民活動の多様性もこの「気質」が左右する。
大きな市政への参画意識もこの「気質」が左右する。
すなわち、住む街のことを“我がコト”のように感じ、放っておけないくらいの「関心」「興味」をもつ人が多いほど、常に住みやすい街への改善が促され続ける。・・・これ、ものすごく大事。だから「“箕面好きの箕面の人”を増やす」って超大事。
8年前に市長になった頃、僕の頭のなかには、「行政サービスはこうあるべき(例えば、子どもの医療費助成は・・・)」とか、「ハード系の整備はこうあるべき(例えば、道路ネットワークは・・・)」とか、そういう具体的なまちづくりのイメージはもちろんありました。財源をどこから捻出するか、とかも。(具体策のカタマリみたいな頭の中だったと想像してもらえれば、だいたいあってます。)
ただ、もちろんそれも大事なのですが、それとは別に、“街の雰囲気”というのか、“多くの人のフワッとした意識”というのか、そういう目に見えないけれど、確かにそこにある「地域性」「気質」のようなもの。これが、長い目で見ると「街」の持続性にとってすごく大事なんじゃないか、この「気質」を刺激し続けることが重要なんじゃないか、というのを8年間の仕事のなかで徐々に強く意識するようになってきたというのが正直なところです。
(たくさんの市民のかたに鍛えていただき、僕も成長してるのかもしれません。少なくとも意識はけっこう変遷しています。・・・そういえば8年前の初選挙ではこんな鍛え方もしていただいたのを思い出し、懐かしくて笑ってしまったので、蛇足ですがご紹介。→「天下り市長お断り」)
近年は、市役所の施策を考えたり、仕事で判断を求められたりするにあたり、“行政サービスこうあるべき論”のようなロジカルな基準(←もちろんこれも大事ですが)と同じくらい、「“箕面に住んでてよかった”って感じてもらえるだろうか?」「ユーザに納得感はあるだろうか?」「“箕面好きの箕面の人”を増やせるだろうか?」という基準が自分のなかを大きく占めるようになっています。

(※)もしかすると、古くから言われる「郷土愛」って言葉みたいなことなのかもしれません。でも、箕面市の場合(僕もそうですが)他市から引っ越してきた人も多いので、生まれ故郷とは別に、今、住んでる街への愛着という点で、微妙に違うような気もしています。しかも、漠然とした“愛”というより、「箕面の“ここ”が好き」みたいなリアルな実感に裏付けられた意識が重要だと思っています。
長々と書きましたが、これまでの仕事も、政策集「倉田哲郎の約束《マニフェスト2016》」も、実は、一貫して「“箕面好きの箕面の人”を増やしたい」「その総数が街の趨勢や住民の幸福度を左右する」という強い想いが流れてるんだということを伝えたいと思い、駄文を綴りました。
もちろん、「“箕面好きの箕面の人”を増やす」なんて、市役所だけで実現できるものではありません。市役所も頑張りますが、もし共感いただけるなら、さらに多くの人に力を貸していただきたい。
この想いを具現化し、箕面をより愛着を感じる街にしていく仕事。是が非でもさせていただきたく8月の市長選挙に挑戦します。どうぞよろしくお願い申し上げます!