さて、箕面市で「農業サポーター制度」をスタートしました。広報誌もみじだより5月号で少し“芽出し”をして、6月号から本格募集を開始です。
農業に関心のある方、土イジリをしたい方などなど、市民の方々から“農業サポーター”を募集し、箕面市と農協が間に入って、農家につなぐ仕組み。市民の皆さんも、農家の皆さんも、ぜひぜひご参加をお願いできればと思います。(詳しくはコチラ)
市内を歩いていると何気なく目に映る田んぼや畑。慣れてしまうと、その大切さを忘れがちですが、この“農地・農業”は、実は箕面の大きな特徴の一つです。なにせ、ここは超大都市圏“大阪”・・・巨大都市部にありながら、これほどの農地・農業が残っているところに大きな価値があります。それが箕面。

その結果、“農業”を現実的に維持できず、農地が荒れ地となって消滅したり、宅地化していったり・・・残念なことに、それがこの間の傾向。
でも、幸いなことに、ここは人口が密集する大阪。過疎化などにより絶対的な人手不足に悩まされるような地域と異なり、大変ありがたいことに“人口規模”という資源は潤沢です。これだけの人口があれば、農業への関心や、土とふれあう機会への渇望も、必ず存在するはず。これを活かさない手はない。
実際、我が家の近所にも、申し訳程度の果樹しか植えられていない農地があり、僕自身も前を通るたびに「ここで何か作らせてもらえたらなぁ・・・」と素朴に感じたりします。企業などを引退されて時間に余裕ができたという方々がいたり、子どもも含めて土との触れ合いを求める方々がいたり、ちょうど今のタイミングなら、いろんなニーズがあるはず。
欠けているのは、興味のある方々と農家の方々を“つなぐ”仕組み・・・。
そんな問題意識をカタチにする発案を、みどりまちづくり部(農とみどり政策課)の職員がしてくれました。それが今回の「農業サポーター制度」です。
サポーターを必要とする農家を募り、農業に関心のある市民を募り、その両者をマッチングする。・・・たったそれだけ?と言えばそれだけの仕組みで、人によっては「今までなんでやってなかったの?」と不思議に感じるくらいプリミティブ(素朴)なものと言われるかもしれませんが、まずはできることからスタート&行動開始です。6月以降の反応や実績を見て、今後、募集の仕方とか、人材バンク的なカタチを目指すかとか、いろいろと試行錯誤しながら進めていきたいと思っています。

「かろうじて残っている」という現実にある農業・農地を、これからも維持し、あわよくば発展させていこうと考えるなら、農業を“業(なりわい・ビジネス)”として成立するものに少しでも近づけていくことが不可欠。そのためには、地元農産物の消費拡大、稀少価値を増すこと、ブランド力の向上など、商業・流通分野や観光と絡めた取り組みも必要で、“農業分野”だけで収まるものではないと思っています。
先日行った新潟などで、超広大な農地による大規模な農業を目の当たりにしてしまうと、改めて「国(農林水産省)の政策がそっち(←大規模農業)を向くのももっとだな・・・」とも思ったりはします。でも、まさしく顔の見える地産地消や、都市環境の維持、自然とのふれあいなど、都市近郊の農業が“暮らし”に与えるメリットははかりしれません。国は都市近郊農業への認識が薄い・・・正直、そう感じます。
こんな問題意識も国や府にぶつけながら、商業・観光業なども含めた地域の方々と協力して、そして、市民の皆さんの心意気にも助けていただき、“箕面に農業あり!”と叫べるよう&叫ばれるよう、がんばります。