H20年度決算も経常収支比率は100%超過。つまり、箕面市の決算は2年連続で経常赤字・・・箕面市制施行以来、記録に残るかぎり初めての事態です。

「うち、実は経常収支が100%超えちゃってるんですよ・・・。」(倉田)
『え?予算で?』
「いえ、決算でも。」(倉田)
『はぁっ?ウソでしょ(笑)?・・・えっ、まさかホントの話???』
実際のところ、こんな反応をいただくような異常事態です。これ、もちろん実話です
H20年度の途中で市長に就任させていただいたので、緊急プラン(案)を公表して腹をくくった財政改革を反映したのがH21年度予算から。したがって、露骨な経常赤字は今回のH20年度の決算が最後と思っていますが、それにしても、箕面というのは不思議な(わかりにくい)財政状態の自治体だと思います。
経常収支比率は明らかに赤字(100%オーバー)。
それなのに政府の示す財政健全化4指標はまったく問題なし。財政力指数は1を超えているので地方交付税交付金による国の支援はナシ。・・・「どういうこっちゃ。箕面の財政状況は厳しいのか?厳しくないのか?」と、ときどき聞かれます。
家庭に例えると・・・
貯金もある。借金も返済可能な範囲内。
でも、日々の生活費が収入をオーバーしていて赤字状態。
人間の体に例えると・・・
今は特に大きな病気は持っていない。
でも、生活習慣が祟っている兆候が顕著にでているメタボ状態。
といったところ。
つまり、今、この瞬間を過ごしていく上ではまったく支障はありませんが、数年内には間違いなく貯金を食いつぶし、ニッチもサッチもいかなくなるというのが今の箕面。
ある時点までは、このままの暮らしぶりを続けることも可能は可能です。貯金を崩し続け、限界まで借金を増やし続ける。・・・限界点がくると、一気に破綻する。
この事態をどの程度の「危機」と受け止めるかどうか。それは人によって違うのかもしれません。
将来・・・といってもそれほど遠くない数年後・・・のことさえ目をつぶれば、まったく問題ない財政状況とも言えるわけですから、とても“わかりにくい”財政危機であるのは事実です。「5年後は“危機”かもしれないけど、先のことなんてどうでもいいや」と割り切るならば、今は「危機」とは感じないかもしれません。
でも、僕はこれを放置すべきでないと考えます。将来の不幸が明白であり、それが“今”に起因している以上、「危機」は「危機」。なかなか伝わりにくいことかもしれませんが、緊急プラン(案)ゼロ試案など、このことをなんとか市民の皆さんに理解を求めながら、この事態を乗り越えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。