ゴミや空き缶、タバコの吸殻などのポイ捨て行為や、犬のフンの放置、さらに落書き行為などを禁止し、悪質なものについては罰則規定(1万円以下の過料)を設けるもの。いわゆる“ポイ捨て禁止条例”“環境美化条例”などと呼ばれる種類の条例です。
こうした条例そのものは今となっては全国的に珍しくはありません。例えば、お隣の池田市でも今年4月から「池田市美しいまち推進条例」を施行しています。
ただし、後発には後発なりの“他市の事例を参考にできる”という良さがあります。この類の条例、全国的には、どうやら「市の全域をポイ捨ての罰則対象とするパターン」と「エリア指定(限定)で美化活動&罰則規定をおくパターン」の2種類に分かれます。そこで、後発の箕面市はこの2つの良さを組み合わせたハイブリッド型を提案することにしました。
つまり、ポイ捨てなどの罰則対象エリアは市の全域としながら、それでいて、特に市民とチカラを合わせて美化活動に力を入れるエリア指定の仕組みを導入しようというもの。市の全域を守るだけでなく、市民の発意の強いエリアはその活動をさらに応援していこうという考え方です。
実はこの条例案、箕面市では2007年から「環境美化条例等検討会議」という検討会ができて準備がされていました。2008年6月に議会に提出されたのですが、当時はテレビ報道もされた桜井のカラス問題などの解決にまったく目途がたっていなかったことなどを背景に結論が保留となり、そのまま流れた経過がありました。カラス対策を条例に盛り込まないと意味がない・・・など、当時の議事録(←僕が就任させていただく前です)を見ると、カラス問題の切実さがよくわかります。
現在は状況が大きく変化し、今年5月のカラス対策チームの発足により、この4ヶ月間でカラスを約8割減少させることに成功しました。市役所職員やチームの頑張りには本当に頭が下がるばかりですが、まさに“成らぬは人の為さぬなりけり”・・・目に見える成果を出してくれたことに手放しで感謝です。それにしても、あのカラスが箕面在住ではなく、豊中方面から飛来していたとは・・・。
さらに、ダメ押しで“カラスなどを呼び寄せてしまうエサ放置行為の禁止条例”も別に準備しているので、ようやく“環境美化条例”に再チャレンジする条件が整いました。
当時の検討会の案をベースにしつつも、2年近くが経過しているので、新たに「罰則の全域化」「落書き禁止の追加」「土地所有者の責務」など、最新の事例を参考に見直しをかけたハイブリッド型の条例案。急ピッチで見直しを進めてくれた環境政策担当の職員に感謝です。ご意見よろしくお願いします。
・・・ただ、本音のところ、ポイ捨てや犬のフン放置などは本来マナーの問題。マナーの問題を、わざわざ法令でルール化しなければならないという点について、個人的には一抹の寂しさも感じます。そうは言いつつも、毎日のように同じところにフンが落とされていて、それを近所の人が毎日ボランタリーに掃除する・・・そんなことが起こっているのも残念ながら実態。
サルの餌やり禁止条例と同じように、罰金1万円という厳しいルールです。でも、罰金をとることが目的なのではなく、罰則規定が発動されないことを願いながら、最後の最後に実効性を担保するために規定していることをご理解いただきたいと思います。世の中の罰則規定はすべて発動されないことを願ってつくられていると僕は思っています。
今回の条例制定が、箕面のまちを美しく大切に伝えていこうという、そんな一人一人の“気づき”のきっかけになることを期待しています。
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