簡単に言うと、橋下知事が「国の出先機関を解体して都道府県で引き受ける!地方分権だ!」などなどと吼えていますが、そのミニ版・・・つまり「大阪府の仕事を市町村で引き受ける」と理解していただければよいかと思います。・・・まあ、細かく言えば、必ずしも国から地方への権限委譲(地方分権)とまったく同じともいえない要素もありますが。
さて、大阪府から仕事を引き取る検討対象となるもの。
いろんな分類はできますが、僕はだいたいこんな感覚(↓)。
一つは、市町村が判断すればいいことなのにわざわざ大阪府にお伺いを立てているような仕事。
一つは、大阪府でも市町村でも、まあ、どっちでやってもいい仕事。このなかには、大阪府でやった方が効率がいいものとか、市町村でやった方がきめ細かくできるものとか、仕事によって性質はいろいろ。
前者は、当然、市町村で受けるべき。
後者は、府がやるか、市町村で受けるか、仕分けが必要。
そこで、後者の仕分けの考え方が問題になるのですが、まず大前提として、僕はあまり大阪府を信用していません・・・と言ったら怒られますが、はっきり言って効率的な行政組織とは思えない、効率的に運用できる規模の組織とも思えない。
社会的コストを落とそう(=少ない税金で社会を維持しよう)と思ったら、行政の効率化は必須。でも、巨大すぎる大阪府は隅々まで意識が行き届くとは思えず、どうがんばっても鈍重にならざるをえない。これは大阪府が悪いというより、組織の規模が大きすぎるというのが問題じゃないかと感じてます。
ちなみに、これは僕の持論なんですが、日本で最も巨大な行政組織はどこか?それは国じゃなくて都道府県。・・・国の場合、政府全体で見れば巨大ですが、実際には(タテ割の弊害はあるとしても)組織は省庁の単位(採用から退官まで省庁単位ですから)。
そう考えると、日本で最も人数規模の巨大な一つの行政組織というのは、実は都道府県。そんな化け物のような行政組織に効率的な行政運営を求めても限界があるに決まっていると。
加えて、僕は行政の仕事というのは、府だろうが市だろうが、どこでやっていても基本的にはまわっていくと思っている人間です・・・経験的にですが。ちゃんとルールさえ構築されて、その裏づけとなるヒトとカネさえ担保できるならば、仕事はまわっていくと。
したがって、原則は市町村で仕事を引き受けていった方が良い。もちろん市町村は大変ですけど、頑張れる組織だし、小回りもきく組織だと信じています。
ただし、1年に1〜2件しか仕事がないのに人材を確保しておかないといけないとか、超高額の機材がないとできない仕事だとか、なんぼなんでも非効率なものはあります。そういうもののために広域自治体である大阪府(道州制になったら関西州?)が存在しているわけで、逆に言えば大阪府はそういう仕事以外はしないし、それに必要な最低人員数しか府にはおかない(=余剰は市町村へ)。そのくらいの整理で良いと思っています。
一方、あまりに小さな市町村の単位では、すべての仕事を受けきれない。そんな現実もあります。そこで、今回の2市2町の広域連携。
それぞれ単独の市・町で仕事を受けると、それぞれにヒト・カネを用意しなければなりません。それを2市2町の広域連携でまとめて処理すれば、年間およそ1億2000万円程度のコストダウンをしながら、仕事を引き受けていくことが可能。
「・・・だったら合併すればいいじゃないか。」
そんな声もあるかもしれません。でも、この2市2町に限らず、現存する市町村の多くは、いわゆる“平成の大合併”を経てもそうならなかった地域。つまり、それぞれの地域特性や行政施策の独自性がそれなりに強く、個性は守りたい想いをもっている地域と僕は理解しています。
だから、合併ではなく、別の手法で連携・効率化を実現する必要がある。今回の2市2町の事務の共同処理センターなどは、その模索の一つ。
今の2市2町の市長・町長さんたちは、みんな前向きな改革派。しかも、このうち2人は(偶然にも)大阪府市長会会長・大阪府町村長会会長というゴールデンメンバー(笑)。そんな恵まれた環境から生まれたこの話。
権限と一緒に委譲されるヒト・カネの規模など、まだまだ大阪府との交渉が必要な部分も残っていますが、地方分権の一つのモデルになるべく、うまく進めていければと思っています。
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