詳細はこちらの報道資料や予算概要、施政方針をご覧いただければ幸いです。一番コンパクトにまとめた資料は“コレ(予算)”と“コレ(方針)”の2枚(A3)です・・・が、ここでも全体像を少し。
結論から言えば、財政規律を守ったうえで(=子どもたちの世代にツケをまわさない)、積極策には思い切って投資するという、かなりメリハリのついた予算に仕上げることができたと感じています。・・・振り返ると昨年も同じようなことを書きましたが、さらに輪をかけて。
箕面市の最大の財政課題は経常収支比率・・・家庭で言えば給料(通常の収入)でどれだけ生活費(通常の支出)をまかなえてるかという指標。これが100%以上だと経常赤字。(詳しくは箕面市の台所事情3部作のその1・その2・その3)
H20までは下のグラフのとおりズタズタでしたが、市長に就任させていただいて最初の予算(H21)で6年ぶりの経常黒字とし、今年も引き続き(ギリギリですが)経常黒字をきっちりキープ。ただし、今回も含めて従来からずっと、箕面市のこの数値は“臨時財政対策債”という不安定な財源に頼っており、これを抜いた“素”の経常収支比率をはじいてみると今回でも107%(経常赤字)となってしまいます。
やはり、この不安定な財源に頼らずに完全に収支均衡させるのが本来めざすべき道であって、行財政改革“緊急プラン”では「H25に完全に収支均衡」という目標を立てています。
このため、今回の予算案では、補助金カットやサービス改変など、市民の方々にも影響する行政サービスの見直しも一部させていただいています。(※具体的な見直し項目はコチラの予算概要のP29〜35)
もちろん、例えばですが、もともと保育所保育料を国基準料金の80%まで値上げするプランを検討していましたが、予算編成過程で73.5%に抑えるなど、市民の方々への影響を最低限に抑える努力はしています。それでも影響ゼロではありません。
ただ、なんとか市民の皆さまにご理解いただき、今回の予算案が市議会で了承されていけば、H25の完全収支均衡が射程距離に入る確信を強くもっています。つまり、今回の予算案は箕面市財政が完全健全化に向かうか否かの分岐点。・・・正念場ですので、なにとぞご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
さて、一律に削減するだけなら誰でもできる。問題は思い切った支出削減をしつつも、どう将来への積極策も腹を括って両立させていくか。
僕のコンセプトは選挙のときから一貫して「安心・支え合い最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」の3つ。今回も、この3つにかなり重点化していきました。例えば・・・。
・「箕面シニア大学」の創設&「シニア・ナビ」の開設(シニア・高齢者の地域活動の総合相談窓口)
・元自衛官の採用による災害時の危機管理体制の強化
・新型消防車両への大幅更新(昨年・今年の2年で10台リニューアル)
・幼稚園・小学校・中学校の耐震化の100%完了(大阪府内全33市で初めて)
・保育所(1所)・認定こども園(1園)の新設(2011年4月に保育所定員150人増)
・公立幼稚園(とよかわみなみ幼稚園)での簡易保育の実施(2010年4月に保育所定員25人増)
・彩都に小中一貫校を新設(2011年4月開校、箕面市で2校目=大阪府でも2校目)
・「(仮称)箕面・世界子どもの本アカデミー賞」の創設(国民読書年を機に全国へ発信)
・「山すそ景観保全地区」の創設(東西7kmにわたる箕面の山すそ部の景観保全)
・「みどり支援基金」の創設(生け垣・壁面緑化など“まちなかのみどり”を支援)
・遊休農地の解消を図る「農空間保全事業」の創設(農道などの整備を支援)
・箕面駅前〜滝道の再整備、桜井駅前広場の暫定整備、止々呂美ふるさと自然館(仮称)の新設
・北大阪急行線の延伸のための準備基金の積立(昨年15年ぶりに積立再開、今年は前年度比2倍)
・秋に市内バス路線網を再編(3カ年の実証運行をスタート)
なかでも、保育所・認定子ども園の新設を決めて大幅な待機児童対策を進められることや、マニフェストでも提唱してきた“みどりファンド”を「みどり支援基金」として形にして市街地緑化に着手できることは特に嬉しいです。
それもこれもですが、予算編成に携わった職員のがんばり抜きには語ることはできません。
財政担当はもちろん、予算要求段階からかなり工夫を凝らしてくれた各セクション、収入を支える税務・競艇セクション。作業中はキツいことも言いましたが、おかげで素晴らしい仕上がりの予算となりました。心から感謝しています。
繰り返しになりますが、今回の予算案は箕面市財政が完全健全化に向かうか否かの分岐点。そして、未来に向けた積極策も盛り込んだ正念場の予算案。新年度の1年間、この方針で箕面を前へ前へとドライブさせていただけるよう、どうぞよろしくお願い申し上げます!
東京出張するといろんなところに行きます・・・誰かエラい人が書いた題字かな?