5月24日に書いた「『大阪“都”構想』をどう思う?」については、橋下知事にツイッターで紹介されたり、思わぬ広がりになりましたが、あるべき自治の姿をどう描くか?の議論の一貫と思いますので、平松市長の胸を借りるつもりで反応していこうと思います。
(平松市長、ありがとうございます!)
さて、平松市長のブログ「大阪"都”構想への思い…箕面市長倉田哲郎様」はコチラ。以下、ご指摘について考えを書きます。(※なお、僕の基本的な考え方については先に5月24日の「『大阪“都”構想』をどう思う?」を参照ください・・・お読みでない方は。)
まず、「周囲との協調をまったく考えない大阪市」「大阪市に手出しできない大阪府」については、(橋下知事がどういう意図で発言しているかは知りませんが)僕の場合、あくまで「仕組み」がそうなっていることを問題と感じています。したがって、繰り返しになりますが、平松市長や議員、職員個々が悪いとかそういうことではありません。
事実、日々の大阪府&大阪市の行政活動は、「大阪市は大阪市のことだけを考える」「大阪府は大阪市に手を出さない」という指向性で動いているとしか感じられません。少なくとも、2大パワーである大阪府・大阪市にとって「相互に協調&協力すること」が組織の本能として性格づけられているとは到底感じられません。・・・仕組み上、別々の組織として作られていますから、当然でもあり仕方なくもあるのですが。
そのことは、いみじくも平松市長が書かれている「府が大阪市域に投資してくれることを拒んではいません」という表現にも感じてしまいます。拒むとか拒まないとかではなく、当たり前のこととして一体的に動くべきでは?と、思ってしまうのです。
また、続けて平松市長が「少なくとも私の任期中は」と書かれているのも一つの証左。協調姿勢は「平松市長の個性」で成立しているのであって、2大パワーである大阪府・大阪市の「組織の仕組み」ではそうなっていない。僕は、それを問題視しています。
それと、たしかに東京特別区の廃止論を掲げている団体はあります。論調を読むと(個人的には)“特別区の起こり(経緯)に拘りすぎでは?”という感想を持ってしまいますが、この廃止論は同時に「基礎自治体連合」なるものの発足を提唱しています。
ここで連合長として想定されているのは、連合内の市長の1人。すなわち、実はここでも、1人のリーダーが、市を運営しつつ、同時に広域的な仕切りもする仕組みが描かれています。(・・・でも大阪はリーダーが2人)
なお、府と政令市に「細かい点」で相違があるのは(違う制度である以上)当然のこと。僕が「同格と捉えてよい」と書いたのは、現実に2つの権限が遠慮&ケンカしあっていることについて、仕組み上の原因を示しただけであって、「細かい点」まで一緒であるかどうかを論じたいわけではありません。
また、平松市長は、いくつかの大阪市が広域に貢献している事例を出されています。それを否定する気はまったくありませんし、パワーある大阪市の行動として歓迎し称えられるべきことです。
でもそれは「大阪市もがんばってるよ」という話であって、2人のリーダーが存在しなければならない理由にはなりません。シンプルに1人の方がもっと整合がとれるのではないかなぁと素直に感じてしまうのです。
なお、「東京都モデルの方が優れている」と思うのは、首都やら効率やら人口規模の問題ではありません。シンプルに、今の大阪にない「府・市2つの権限が張り合うのでなく、広域的な視点をもった1つの強い都市政策が必要」と思うからです。それが今の大阪には欠けている・・・。
ちなみにですが、僕は大阪版特別区の人口規模が何人であるべきか?といった点は、これから議論すればいいと思っています。
橋下知事の提唱する人口規模が正しいかどうかはよくわかりません。・・・というか、この点については個人的には、そもそも「一律にこの程度の人口規模であるべき」という答えが本当にあるのか自体を疑問にも思いますし、むしろそこは地域によってケースバイケースのような気もしています。
まさしく長い歴史があり、人々の暮らしを支えてきたコミュニティを守り、かつ、新たな息吹を注ぎ込むためにも、硬直化した仕組みは時代に応じて見直しを進めるべきと思います。仕組み(制度)はそれぞれの時代を生きる人のために設計されるべきものなのですから。
強い地域をつくり、自治を創造するためにも、古くからの府市制に固執して、大阪府・大阪市で張り合うのではなく、力を抜いて胸襟を開いて、制度論まで踏み込んで“あるべき姿”を求めてはどうか?と思うのです。そんな想いで、やっぱり僕は「ONE大阪」「1つの大阪」というコンセプトにエールを送ります。
まあ、「力を抜いて胸襟を開いて」という点については、橋下知事にも言わなきゃいけないかとは思いますが・・・。
今日、箕面市議会で設置条例を議決いただいた「箕面市止々呂美ふるさと自然館」
↑↓その一部として“キャンプ場”を想定している「野外活動緑地」の姿
・・・実はココ、国と揉めた余野川ダム湖用地。発想を転換してこれを転用!
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