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2014年02月12日

北大阪急行線の延伸〜2020年度の開業にむけて

新聞報道やニュースでご覧になったかたも多いかと思いますが、北大阪急行線の延伸にようやく目途がつきつつあります。
現在、大阪府・箕面市・阪急電鉄(株)・北大阪急行電鉄(株)の4者で、3月の事業化合意の締結に向けて最終調整を進めています。開業見通しは2020年度、ちょうど東京オリンピックの頃になりそうです。

事業化合意を締結するためには、それぞれの組織の意思決定手続が必要になります。
このため、阪急・北急はそれぞれ1月下旬の取締役会で承認手続きを、また、大阪府は1月27日に大阪府戦略本部会議で承認手続きを終えました。こうした動きと呼応して、箕面市では2月下旬に箕面市議会に予算案を提出します。
これらの組織手続を経て、今年度末(3月)に4者が調印する「合意書」締結に臨みます。
個人的には「やっとここまできたか」というのが率直な感想。・・・でも僕が陣頭指揮をとってきた期間といえば、市長に就任させていただいてからにすぎませんので、考えてみればたったの5年間。
箕面市政でいけば、市の総合計画に初めて載ったのが昭和43年(1968年)なので、およそ45年の歳月。具体的なアクションとして箕面市が鉄道延伸の貯金(北急延伸基金)を開始したのが平成4年(1992年)なので、そこからカウントするだけでも20年以上が経ちます。
たった5年の僕なんかは歴代市長と箕面市史からすれば“ひよっこ”みたいなもんですが、そのたった5年でも・・・正直、長かったですホント。
enshin07.jpg
鉄道延伸には、当然、地元市の負担が必要となります(箕面市の場合はあくまでイニシャルコストだけですが)。
正直言って、5年前(H20)に市長に就任させていただいた頃は、箕面市は財政ズタボロで、とてもじゃありませんが鉄道どころの騒ぎじゃありませんでした。

当時の一番の財政問題は貯金依存体質だったこと。毎年の収入(=お預かりする税金)で支出をまかなえず、過去からの貯金を取り崩してその年をしのぎ続けるという財政運営で、実際、H20まで市は毎年毎年20億円ずつ貯金を崩し続けていました。そして、H19・H20決算は箕面市が始まって以来、初めての「経常赤字」という忌まわしい記録まで樹立することに。

その状況下で市長に就任し、そこから叱られながらも市民の皆さんのご理解をいただいて、なんとか支出を抑え、ムダを削り、コスト効率を高める努力を必死でしてきました。
その結果、H21から赤字脱却を果たし、現在まで5年連続の経常黒字。そして昨年の秋に公表したH24決算では実に10年ぶりに経常収支比率の完全黒字化を果たすことができました。
また、取り崩すばかりだった貯金(基金)も積み増せるようになりましたし、昨年4月の子どもの医療費助成の拡大(中学校まで・所得制限なし)に代表されるように、未来に向けての新たなリソース投入もできる財政体力になりました。緊縮一辺倒でなく、こうした新規投資も織り込んだうえでの経常黒字・財政健全化の達成です。
20140212a.jpg
べつに鉄道延伸のために行財政改革をやってきたわけじゃありません(そう受け取られたら僕はかなりイヤです)。健全財政の堅持は、子どもたちに負の遺産を残さないために、今の大人として当たり前のことにすぎません。ただし、真っ当な財政運営がなかったら鉄道なんて議論すら不可能だったのは事実。
それが、5年かけてやっとここまでこれたわけで、その意味で(もちろん国・大阪府・阪急・北急との調整やら手続やら、鉄道延伸に直結する準備作業でもいろいろ苦労しましたけど)僕のなかでは行財政運営ぜーんぶのプロセスをひっくるめて「たった5年だけど長かった・・・」という心境なのです。(赤裸々に吐露しててすみません)

そんなわけで、鉄道延伸の地元負担を議論できる土壌も整い、この1年ほど交渉を重ねてきました。
結論としては、箕面市は185億円(初期投資のみ)を負担します。
 ・ 国が、285億円を負担
 ・ 大阪府が、100億円を負担
 ・ 箕面市が、185億円を負担
 ・ 阪急・北急が、80億円と開業後のすべての運営リスクを負担

さて、それで箕面市の財政は大丈夫か?・・・多くの方が心配するのはそこだと思います。

答えは「はい、大丈夫」です。そもそも5年かけて苦労して果たしてきた健全財政を崩すことは、僕自身が自分を絶対に許しません。
したがって、まず財政運営全体に対して「収入にあわせて支出を組む」という至極当たり前の財政フレームを「財政基本条例」として制度化します。これは、実は鉄道延伸があろうとなかろうと無関係な話で、この5年間やってきた財政運営の基本ルールを、そのまま制度化するだけのことです。
僕は“現在の市長”に過ぎませんから、将来の財政運営をすることはできません。でも条例で制度化してしまえば(議会で改廃しないかぎり)将来の財政運営をルール化する(縛る)ことができます。このことで、全体として健全財政が継続することを担保します。

そのうえで、鉄道延伸に必要な支出については、これまで20年にわたり鉄道延伸のために市が少しずつ積み立ててきた貯金(=北急延伸基金、いわば“北急貯金”です。)のほかは、残りすべてを競艇事業(ボートレース)の収益金だけでまかなうことにしました。
さらに、この「“北急貯金”と“競艇収益金”だけでまかなう」という財政ルールを、財政基本条例に直接書き込むことで、将来にわたり皆さんからお預かりする税金での財政運営と切り離して影響を与えない仕組みを担保します。
20140212b.jpg
先ほど書いたとおり、箕面市が鉄道延伸のために負担する費用は185億円。ここから今年度末の“北急貯金”の残高65億円を差し引くと、残りは120億円。
これに対して、競艇事業のカタめの年間収益が“約6億円”で、ここに鉄道延伸事業の起債償還期間(=分割払い期間)の“20年”をかけると、およそ120億円(=6億円×20年)。・・・かなり大雑把ですけど、ざっと規模感の計算が合うのはわかるかと思います。
当然、入札などにより事業費が圧縮されていくプラス要素の可能性もあれば、その一方で、起債金利や競艇の収益減リスクなどもありますので、皮算用どおりにピッタリいくものではありません。その調整が必要な場合は、都市施設整備基金(=公共施設や道路などのための市の貯金)から一時的に拠出して、後年度に“競艇収益金”から埋め戻すことをルール化し、このルールも条例に書き込んでしまいます。
つまり、プラス要素が強ければ20年よりも数年早く、マイナス要素が強ければ20年よりも数年遅く、いずれにせよ北急の延伸整備費が“競艇収益金”によって完済します。

なお、参考までに、この120億円という規模ですが、2年前に開校した彩都の市立小中一貫校(総事業費:約60億円)2校分にあたります。この規模感からしても、おおよそ箕面市が行うレベルの事業として、まあ現実感のある範囲という感触をもっています。

ちなみにですが、この“北急貯金”を全部使ったとして、それでもなお箕面市は財政調整基金(用途の定めのない貯金)70億円を含む約148億円の貯金を保有しています。
すなわち(条例でルール化してしまうので、まず大丈夫とは思いますが)万が一、事業収支に想定を超える不測の事態が発生したとしても、通常の財政運営(皆さんからお預かりする税金による行政運営)に影響を及ぼさないだけの資金力が箕面市にはあります。
・・・いざというときのために、これだけの資金力を地道に少しずつ蓄え続け、現代にまで遺してくださった故・中井武兵衞市長には、もう感謝してもし尽くせません。

というわけで、2月下旬からの市議会に、合意書締結の前提となる「北急延伸の事業化の予算(案)」と、これを《“北急貯金”と“競艇収益”だけでまかなうルール》を書き込んだ「財政基本条例(案)」の2つをあわせて提出します。
僕としては、箕面市役所の知恵と調整力を最大限に駆使してここまでこぎつけた感があるので、しっかり市議会に説明し、あとは市議会で決断の是非を審議いただきたいと考えています。あわせて、大阪府・阪急・北急のそれぞれの準備が順調に整い、3月末の4者の合意書締結に至れることを心から願っています。
20140212c.jpg
北急延伸については、ここに書いた財政シミュレーションのほかにも、「萱野の両翼の田畑は守られるの?」とか、「船場の西側からは道路(信号)を渡らなきゃいけないの?」とか、「料金は?」「バスは?」「経済効果は?」とか、いろいろ気になることも多いかと思います。
そこで、本日、ひとまず考えられる全体像をできるかぎりまとめた「北大阪急行線延伸プロジェクト・アウトライン」(PDF約8M)という冊子を公表しました(後継アップデートの「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」はコチラ)。また、広報誌もみじだよりや、箕面市HPの北急延伸サイトでも随時お伝えしていきますので、ご覧いただければ幸いです。

北大阪急行線の延伸。・・・ほとんど都市伝説(?)と化していた半世紀にわたる懸案に、ここで白黒決着をつけたいと思います。市民の皆さまにはどうかご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

【シリーズ:北大阪急行の延伸】
・2010.04.02 北大阪急行の延伸(その1)〜なぜ突き進めるのか?
・2010.04.05 北大阪急行の延伸(その2)〜市民の意向はどうなのか?
・2010.04.08 北大阪急行の延伸(その3)〜鉄道延伸のメリットは?
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・2014.02.12 北大阪急行線の延伸〜2020年度の開業にむけて
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